沖縄の広告業界に新風を吹き込む。先鋭たちが集うクリエイティブカンパニー

沖縄
株式会社 ワンダーリューキュー 代表取締役社長
Kosuke Tsuruta
鶴田 光介

沖縄を代表する企業の広告を軒並み手がけるクリエイティブ集団「株式会社ワンダーリューキュー」。彼らが手がけるCMやイベントは、どれも印象的で個性的。県内外の権威ある様々な広告賞を受賞し、その存在感は沖縄の広告業界において日に日に大きくなっています。ワンダーリューキューのイノベーティブな発想と作品はどのようにして作り出されているのか。その秘訣を代表取締役社長の鶴田光介さんに伺いました。

クライアントと膝を突きあわせ、とことんアイデアとクリエイティブを追求する

鶴田さんは沖縄ご出身ではないようですが、なぜ沖縄で会社を設立されたのですか?

移住したのはもう20年も前になりますが、冬でも暖かく気候の良い沖縄が好き、というのが大きな理由です。移住前は東京の会社で広告の企画畑を歩んできて、沖縄の広告代理店に転職しました。そこで15年ほど勤務する中で部下たちの中にも優秀なプランナーやクリエイターが育ってきたので、彼らに多くを任せ、私は別会社を立ち上げました。しばらくその会社と新会社を兼務していましたが、今では資本もきちんと分け、クリエイティブに特化した「ワンダーリューキュー」を運営しています。

なぜ一般的な広告代理業ではなく、クリエイティブに特化した会社にしたのですか?

クライアントがそれを求めていると常々感じていたからです。弊社のクライアントは、メディアのスペースブローカー的な営業マンではなく、クリエイティブディレクターと直接話しながら、本当にいいもの、効果のある広告を作ることを望まれています。クライアントの顔色を伺うようなことはせず、忖度なしで指摘し合える関係性を築くためには、クリエイティブに特化し、かつフットワーク軽く動けるような少数先鋭の会社の方がいいと思いました。優秀なクリエイターが周りにいたというのも大きいです。

そのようなスタイルは、沖縄では主流になりつつあるのでしょうか?

主流とまではいきませんが、徐々に増えつつあると思います。東京ではもう10年以上前から数多く存在していますが、沖縄はこの数年で変化してきていると肌で感じます。かつての広告業界は、代理店の下に制作会社がいるという構図でしたが、弊社は代理店抜きでも、クライアントとブランディングやクリエイティブの話をガチでできるような体制を敷いています。従来のやり方をやっていては、新興企業の我々は大手にかなわないというのも本音ではあります。土俵を変えるということです。また、代理店経由の仕事の場合でも代理店の営業の方と一緒にクライアントへ行きます。弊社から無茶な提案も多く代理店にはかなり苦労を掛けていますが、幸い大事には至っておりません(笑)。

沖縄の広告の慣習にとらわれず、革新的な表現にチャレンジ

 

御社の業務で主なものを教えてください。

CMを中心とした映像とグラフィック、イベントの3つの企画制作を主軸としています。特に映像を起点にすると、テレビCMだけでなく、テレビ番組、Webやスマホ広告、実店舗でのサイネージなど多角的に展開できますので、注力しています。今年オープンした浦添の「PARCO CITY」ではテレビCMやキービジュアル、館内パンフレットの制作はもちろん、オープニングセレモニーまで一貫したクリエイティブコンセプトで設計し、セレモニーの運営までやらせていただきました。こうしたイベントの需要は年々高まっているように感じます。

それはなぜですか?

世の中で、リアルな感動を求められているからだと感じます。例えば弊社が手がけたものに、沖縄の求人情報誌「ルーキー」を発行するラジカル沖縄様のテレビCMがありました。地元の芸人にヤンキーに扮して出演してもらったのですが、とても話題となり、お笑いステージ込みのPRイベントを開催することになりました。おかげさまで大盛況でした。また、今年からJTB沖縄さんとスタートさせた「Okinawa E-Motion」というキャンペーンでは、観光の閑散期といわれる5~6月に様々なイベントを実施しました。きゃりーぱみゅぱみゅの対バンライブイベント「KPP CAMP」や人気のフードイベント「OKINAWA FOOD FLEA」などを開催し、単なる観光PRではなく、コンテンツを作りつつ県内外に発信することで観光の新たなムーブメント創出を狙いました。

 

広告はテレビCMだけやっていればいい、という時代ではないのですね。

そうですね。弊社はクロスメディアエージェンシーとも謳っています。クリエイティブなアイデアを軸に、様々な媒体や手法を使って、広げていきたいですね。テレビ、ラジオ局の媒体権を活かし効果的なオンエアの運用もしていますが、その先のWeb展開やイベント展開についても積極的にお手伝いしています。

御社は、様々な広告賞を受賞されていると伺いました。やはり「クロスメディア」という観点が、功を奏しているのでしょうか?

そうかもしれませんね。それと、常に新しいものに挑戦しているからかもしれません。少し前の沖縄の広告は冒険しない傾向があって、例えば「地域密着」のイメージを表現する際には「首里城」「三線」「海」など、わかりやすい沖縄的モチーフが選ばれがちでした。弊社ではマーケティング上の差別化を図るためにも「新しい沖縄」の要素を探します。例えば、最近制作した航空会社のJTA様のテレビCMでは「熱くなると沖縄訛りになる」というCAさんを誕生させ、地域性を表現しました。クライアントから「やりすぎ」と怒られることも多いですが、怖がらずに新しい表現に挑戦していることが評価に繋がっていたら嬉しいですね。そのようなことができるのは、やはりクライアントと直接話をして、熱意が伝えられる状況を作り出しているからだと思います。クライアントの理解があってこその受賞といえます。

HPの中に、社外取締役として、東京の「アソビシステム株式会社」と福岡の「空気株式会社」の社長さまのお名前がありましたが、それも新しい挑戦の一つですか?

新しい挑戦というよりも、どちらの会社にも学ぶところが非常に多く、目指す方向が近いと感じ、立ち上げの形づくりから関わっていただいています。両社とも作られているもののレベルが高く刺激を受けますし、「原宿」と「福岡」という地域に特化していることにも、共感を覚えます。CMやイベント制作を通じてお付き合いが始まりましたが、さらに長く協力し合えればと思い、社外取締役になっていただきました。社風も似ていて社員同士も仲良くさせていただいています。ちなみに、空気株式会社はCMでカンヌを何度も受賞しています。それに比べたら僕らはまだまだです。

一番の財産は「人」

「クロスメディア」という発想は御社の強みだと思いますが、他に挙げるとしたら何が強みですか?

圧倒的に「人」だと思います。弊社は工場があるわけではありませんし、売り場もありません。人、つまり社員であるクリエイターが唯一無二の財産です。その分採用には慎重になりますが、できるだけ長く弊社で働いて欲しいので、従業員満足度を高められるように努めています。今いるクリエイターは皆立ち上げから一緒にやっているメンバーです。辞めないでいてくれて助かっています(笑)。

具体的に、どのようなことをされているのでしょう?

給与にはこだわっているので沖縄の広告業界では高い方だと思います。しかし、やみくもに給与を上げているわけではなく、しっかりと仕事に向き合っていい仕事、つまり成果を出すことが前提です。そのために、それぞれが抱えている案件を社員全体で共有する場を毎朝設けたり、クライアントの課題解決を目的としたタスクミーティングにより、常に情報を交換したりしています。そうすることで、どの仕事も「他人事」ではなく「自分ごと」として捉えられるようになり、受け身の仕事ではなくなるのでやりがいが生まれます。結果としていいものが作れ、クライアントの満足度も高まり、給与に反映されます。あと、オフィスはかなりこだわってカッコよく、快適に働けるよう仕上げました。

クライアントについて理解を深めることで、やりがいも給与も高まるということですね。

遠回りな方法かもしれませんが、それを続けることでようやくクライアントの「パートナー」になれるんだと思います。クライアントのカルチャーをどの競合他社よりも理解していると自負していますし、その上で斜め上を行く提案を心掛けています。だからこそクライアントの求める面白い提案ができ、クリエイターとしても会社としても強くなれると考えています。

オタクであれ、ミーハーであれ、クレバーであれ。

将来の展望を教えていただけますか?

夢は、日本で注目されるクリエイティブエージェンシーになることです。売上規模を追うよりも、スタッフ個々の力をより強くしていいものを作り続けることで、それを実現したいですね。あとは、弊社で企画・デザイン制作しているお土産商品「子宝ちんこすこう」のような商品開発を、もっとやっていきたいです。様々な企業とのコラボレーションやアパレルの領域も広げたいですね。

沖縄よりも首都圏の方が、その夢は実現しやすくはありませんか?

今の時代、どの場所にいてもインフラの問題はありませんし、実際に県外の仕事も数多くやらせていただいています。様々なことが飽和状態にある東京より地方の方が面白いと感じますし、特に沖縄はインバウンドも増え、投資も集まっています。さらに人口も増えていますし、上昇志向が強い若い世代も多いと感じます。しかも、沖縄が嫌いな人はあまり聞いたことがありません(笑)。こんなにホットで、愛されている沖縄だからこそ、この目標は叶えられると思っています。

最後に、スタッフとしてどんな方と働いてみたいですか?

社員には「オタクであれ、ミーハーであれ、クレバーであれ」と常々伝えています。何か一つでも大好きなものがあれば、それが強みになって仕事に活きてきます。社会性や社交性よりも、何かしらトンがった得意分野を持っていてる方と働いてみたいですね。社会性などは後付けで何とかなります。勉強はできなくても、一般的に「変な奴」と思われていても、オタクな部分と、ミーハーに何かを追求する好奇心があれば、弊社なら活き活きと働けるはずです。

取材日:2019年8月7日 ライター:仲濱 淳

株式会社ワンダーリューキュー

  • 代表者名:代表取締役社長 鶴田 光介
  • 設立年月:2014年4月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:ブランディング、CI、VI、各種市場調査、テレビCM、テレビ番組、ドラマ、映画、Webサイト、Webムービー、Web広告、アプリ開発、SEO対策、SEM、SNSプロモーション、ラジオCM、ラジオ番組、新聞広告、雑誌広告、雑誌編集、興業イベント、販促イベント、イラストレーション、スチール撮影、PR活動全般、セールスプロモーション全般、キャラクター開発、キャラクター商品開発、人財育成研修、沖縄出張(旅行)のコーディネート
  • 所在地:〒901-2224 沖縄県宜野湾市真志喜2丁目28-21 1F
  • URL:http://wonder-ryukyu.co.jp/
  • お問い合わせ先:098-871-2116

日本中のクリエイターを元気にするメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP