WEB・モバイル2019.03.20

1200店以上のECサイト制作とブランディングの実績により販促の課題を解決へと導く

大阪
有限会社ブレイントラスト 代表取締役 谷内 克行 氏
「販促力に課題を抱える中小・零細企業や過疎地方で埋もれてしまっている商品・サービス、物産の持つ魅力をECサイトで世間に発信していきたい」との思いで、日々取り組んでいるのは、有限会社ブレイントラストの谷内克行社長。パソコンが苦手というECビギナーにも優しいサービスを提供することを会社の使命の一つに掲げ、費用面も作業工程もハードルを低く設定したプランを提供しています。もともとアートやカルチャーに関心が高い谷内社長はアートマネジメント事業も立ち上げ、現在はアーティスト・浜崎健氏のマネージメントをはじめ、事務所の1階にギャラリーを設け、様々なアーティストの展示・販売もしています。他社との差異化を図るため独自のカラーを追求し続ける谷内社長にお話をうかがいました。

類まれな行動力で憧れを現実に

もともとこの業界に興味があったのですか?

高校生の時に読んでいたファッション&カルチャー誌「POPEYE(ポパイ)」のようなお洒落でクリエイティブな雑誌を大阪でも作りたいと思い、大学に入ってからは関西のアートや音楽、カルチャー情報を掲載したフリーペーパーを発行していました。出版のノウハウもない友人7人が集まって、スポンサーや印刷会社も分からないまま直接電話をかけるなど手探り状態で始めました。当時はそのメンバーを中心に千人規模の学生サークルの主宰もしていたので、商品のモニター協力をするなどで大手企業数社がスポンサー契約を快諾してくれて、隔月で3年位発行し続けました。今では全国規模で活躍している大物バンドや著名人へのインタビュー記事もあって今読み返しても面白いです。

大規模なサークルを運営されていたんですね。その後はどのようにキャリアを積まれたのですか?

大学時代の延長で卒業後も個人事業としてイベント運営等を続けていたのですが、リクルートに勤務していた友人を介して人事部長や求人誌の編集長と会う機会があり、話の流れで大阪ベイエリアのお店を紹介する巻頭特集8ページの制作をすることになったんです。フリーペーパー制作のノウハウや人脈を活かし完成させると、その仕事をきっかけに他誌の特集記事等を次々に任せていただけるようになり、またクライアントの依頼で一緒に組んだ制作会社からも仕事を紹介してもらえたことで、パンフレット等の販促ツールや広報誌等の制作業務も手掛けるようになりました。順調に仕事量もスタッフも確保できるようになったので、これなら編集プロダクションとしてやっていけると思い、25歳の時に法人化しました。

与えられたチャンスをキチンとモノにして、早々に起業されたんですね。

とにかく早く起業したかったんです。その理由は単純で、「POPEYE(ポパイ)」に有名私立大学の青年実業家がめちゃくちゃカッコよく掲載されていて、それに感化されたからなんです(笑)。でも「起業する」ということだけが先にきて、「何をするか」が後回しになっていたため、“編集”という業務で突き抜けることが出来ていなかったように思います。

Web事業に取り組まれたきっかけは何ですか?

東急ハンズ心斎橋店の取材時に、たまたま自社サイトをリニューアルしたいという話があり、数社によるプレゼンだったのですが、雑誌編集で培ったスキルで見せ方には自信があったので、そこを全面的にアピールした結果、仕事につながりました。結構面白いものが出来て気に入っていただき、そこから三宮店のWebも担当させていただくようになりました。

ECビギナーに優しいサービスを提供

現在はECサイトに主軸を置かれているようですが。

一時的な会社案内やパンフレット制作以外に、継続的な仕事を探していたことや、弊社の特長として何か特化できるものを考えていた時期に、スタッフが「楽天ビジネス」を見つけて来てくれたんです。楽天市場に掲載を希望する店舗が提案書等により制作会社を選ぶというBtoBのマッチングサービスで、当時は楽天市場が黎明期だったこともあり、一つひとつ掲載店と一緒になってECサイトを作成していました。公開後の反響も含めてECサイトの仕事が面白くなり取り組んでいたところ、他店舗からもオファーが続々来るようになり、楽天ビジネス近畿エリアグランプリを5年連続でいただき、これまでに1200店舗以上の店舗を制作してきました。

御社のホームページにはECサイト初心者が学べるコーナーも充実させていますね。

いざネットショップを始めたいと思っていても、用語も分からない、エクセルも苦手という方が結構多くて、そういったECビギナーに優しいサービスを提供することを会社の使命にしています。よくあるのが制作会社に高額で見栄えの良い凝ったWebサイトを作成してもらったものの、情報等更新するのにも費用をかけて頼まないといけない、それが売り上げにつながらず大きな損失だけが残ってしまったというケースです。弊社では、気軽に始められるよう、楽天市場やYahoo!ショッピングといったモール型だと、スタートパック5万円(税別)で最短5営業日で作成するというプラン設定もあり、公開後は掲載商品やバナーなどの更新をご自身で編集出来るようにしているなど費用面のハードルをかなり低くしています。

※ 1つの場所に色々な店舗が集まるインターネットでのショッピングモールのようなもの。

その後フォローが必要な場合はどうなりますか?

不安な方には9000円/月(税別)からのサポートプランも用意しています。これまでの傾向としては、スタートパックで成功して、他のモールにも出店される方や、独自で店舗型で展開される方も多いので、そのあたりにも対応しています。

他に事業内容があれば教えてください。

2つありまして、1つは、コミュニケーションデザイン事業です。パンフレットや販促ツールなど印刷物、ホームページの制作、広報活動など、クライアントがお客様と接するすべてのコミュニケーションツールを一つのコンセプトに統一し会社や商品・サービスの訴求ポイントがぶれないようブランディングするものです。クライアントと直接やり取りをしながら、ニュース性のある価値というのがどこにあるのかを見つけて、ニュースリリースなどで配信するところから、ロゴ制作やネーミングまで担っています。ECサイト事業の延長上でブランディングまでお任せいただくこともあります。

クライアントの反応はいかがですか?

昨秋よりペットフード会社から小型犬用の新ブランドを立ち上げるというので、ネーミングからロゴ・パッケージデザイン作成までお任せいただいたんですが、結構売り上げが順調に伸びているので、クライアントから次は大型犬タイプも作ろうという話まで出てきているんです。そういうのを直接聞くと本当に嬉しくて、ブランディングにもますます力を入れていきたいです。

個性を解き放つ空間であそぶ

もう一つはどのような事業ですか?

アートマネジメント事業です。予算の関係でフリーペーパーの廃刊後に、たまたま知り合いから紹介してもらったテナントスペースがあり、フリーペーパーの要素をその空間でメディア発信したら面白いだろうなと思い、オフィスとは別に借りて10坪程度の空間の中に音楽情報やファッション、カルチャーなどを詰め込み、各コーナーを設け展示してたんです。

五感で情報にふれてもらう面白い試みですね。反響はどうでしたか?

雑誌社から取材依頼がきたり、口コミで広がったりして結構多くの方にお越しいただきました。クロージングイベント時には、東京から編集者、ミュージシャンなどアート界の大御所の方々に参加して頂きトークショーを行いました。様々なアーティストとのつながりができて、現在のオフィスビルの所有者でアーティストとして活躍している浜崎健ともそこで知り合いました。その後、1年程度の期間を置いて今度は以前に比べて倍のスペースでギャラリーをはじめ、映画の上映会やライブ、トークショー、DJイベントもしていました。そこを6年位運営後、閉めようとしていた時に浜崎から作品の管理やプロモーションなど、マネジメントの依頼があり、その後、ギャラリーを持たずにアートマネジメントを行っていましたが、数年後、浜崎がギャラリー運営していた現在のビルにオフィスを移したんです。3階建ての1階をギャラリーにして他のアーティストにも利用してもらっています。

赤が印象的なひと際目立つビルですね。今後はどのような展開をお考えですか?

アートとECサイトを融合させた弊社独自の形に持っていきたいと今は模索中です。本来業務では会社のミッションとして、ECサイト運営のノウハウを活用して中小企業、零細企業、過疎地方における課題をECサイトで解決したいと思っています。例えば地方の物産でも多くの人に知ってもらえれば売れるのに、埋もれたままになっているものがたくさんあるんです。弊社のブランディングのノウハウを掛け合わせてECサイトで展開していく、そういったお手伝いをすることで、各々が抱えていらっしゃる問題を解決できればと思っています。

悩んだからこそ見えた光

その中で求める人材とはどのようなものですか?

チームワークを大切にしたいので、一番は人柄ですね。愛嬌があって思いやりのある方です。それがあればスキルは皆で一緒に伸ばしていけると思っています。以前は大きな仕事、大企業の仕事を取っていくことばかりに気を取られスタッフの負担も大きく人の入れ替わりもあり、社内がギスギスしてしまっていたと思います。その苦い経験を踏まえ、「本当にECサイトを必要としているのは誰だろう」「仕事の本当の醍醐味って何だろう」と考え、方針を変えたんです。その時は「幸せって何だろう?」という事まで悩みましたよ(笑)。

そこで答えは出ましたか?

僕が出来ることを提供することで、クライアントが本当に満足してくれて「ありがとう」って言ってもらえる、感謝されることが自分の幸せにつながるんじゃないかと思ったんです。その対象は規模・人数に関係なく、例えば家事をして家族から感謝される、ストリートミュージシャンが目の前にいる一人に向かって歌い感動してもらえる、それが生きがいにつながると思うんです。ただ会社として、それを生業にする場合はある程度の対象人数が必要になってくる、人数が増えれば増えるほど規模が大きくなる、以前はその規模にばかりに目が行きがちだったのですが、大切なのは原点である「感謝されること」だという境地に行きついたんです。そこを大切にすることが、やり甲斐につながり、また自分の存在価値・仕事をする価値につながり、そして、生きていく上での原動力につながるのだと思います。

取材日:2019年2月4日 ライター:川原 珠美

有限会社ブレイントラスト

  • 代表者名:代表取締役 谷内 克行
  • 設立年月:1990年5月
  • 事業内容:ECサポート事業・コミュニケーションデザイン事業・アートマネジメント事業
  • 所在地:〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4-11-13 レッドビル
  • URL:https://brain-trust.jp/aboutus/
  • お問い合わせ先:06-6253-2005
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