WEB・モバイル2018.08.22

徹底した「可視化」と「共有」で当事者意識の高い経営者集団を目指す

札幌
株式会社エム・ビー・エム 札幌本部長 葛西駿介氏
高い技術と営業力を携え、右肩上がりの成長を見せる株式会エム・ビー・エムは北海道十勝と札幌を拠点に活動しているWeb制作会社です。
2028年までに1,000名規模の組織を目指し、驚異のスピードで成長中。
今回は札幌本部長の葛西駿介(かさいしゅんすけ)氏に、高単価案件受注の秘密やユニークな評価制度、「可視化」に徹底的にこだわった経営手法など、会社の成長スピードを加速させるための数々の取り組みについてお話を伺いました。

高品質なサービス提供と高い営業力で加速度的に成長中

御社の事業内容を教えてください

Webサイトの企画制作を事業の柱としながら、企業のブランディングのトータルサポートを行っています。企業のブランドやコンセプトを固めていくために、Webサイトだけではなくポスターやパンフレット、動画制作などをまとめて発注いただくことも多いです。北海道内の同業他社と比較しても高単価の案件が多く、その分クライアントへも満足度の高いサービスを提供していると自負しています。

高単価の秘密はズバリ何でしょうか?

それはもちろん、高品質なサービスを提供できているからこそと思っています。品質と言っても企画やビジュアルデザインだけでなく、クライアントとのコミュニケーションやプロジェクトマネジメントも重要な要素になります。Webサイトの仕様を決める段階ではクライアントと綿密な打ち合わせを行い、企業の事業内容やブランドをWebサイトへどう落とし込んでいくのかということをかなり細かいところまで計算しています。プロジェクトの完了時には顧客アンケートを行い、営業・企画・ディレクション・デザインといった領域ごとの満足度をご回答いただいています。Webサイトの納品後もサイト運用に関わる場合も多く、継続的にお付き合いしていく中でより良いビジネスパートナーとして当社がどうあるべきかという事を色々とご指摘いただきながら、改善できることに対しては迅速に取り組んでいます。
大手広告代理店や印刷会社、有名デザイン会社と競合となったコンペ案件では、価格が最も高かったにもかかわらず受注を獲得、また、代理店を通す2次、3次請け案件ではなく当社の営業スタッフが獲得してくる1次請けの案件が多いことも理由の一つです。Web制作会社としては珍しく、1次請け専門の営業部隊を組織しており、売り上げの9割以上が1次請けの案件となっています。

当事者意識を高めるための様々な仕組みや取り組み

社内評価制度として珍しい仕組みを取り入れているとお聞きしました

営業スタッフだけではなくデザイナーやエンジニアといった制作スタッフも、担当した業務から月ごとの個人別損益を算出し、それぞれが売り上げや利益に対する数字意識を強く持って業務に取り組んでいます。取り組んだ業務の量や内容だけではなく、納品物が納品先で目標としている成果を上げているかというところまで数字化して把握し、個人別・ユニット別損益に応じて成果に伴う給与を支払う仕組みになっています。

納品後の成果まで数字として把握できるとなると、優秀な人ばかりに仕事が集まるようなことが起こりませんか?

仕事が偏ったとするとそれは個人の能力の差の表れでもあります。そうなると本人も自分の課題が客観的にわかります。売上、利益、成果を数値として視覚的に把握することで今何を勉強する必要があるのか、より積極的に取り組む必要があるのはどの部分か、といった次に自分が取るべき行動が見えてくるのです。業務効率の改善ツールとしても上手く機能していて、この仕組みを取り入れてから業務効率も圧倒的に向上しました。個人個人が自ら課題に気づいてくれることで、会社としても経営的な課題により早く気付くことができます。

個人の能力や責任が明確化されることで、自ら課題に気づくことができるようになったと

それぞれのプロジェクトに対して当事者意識を持つことはもちろん、組織に対しても「自分たちが会社を作り上げる」という意識を持ってもらいたいと考えています。当事者意識を持ってプロジェクトにあたることで組織として事業を作り上げているという感覚を持てるように、「自分ごと化」「事業づくり」「目線合わせ」といった部分を大切にしています。

状況をデータとして把握することで「客観的に」「迅速に」判断・対応することができる

「客観的な判断」を大切にされているのですね

他にも、従業員アンケートで、スタッフの仕事に対するエンゲージメントや納得感、ストレスなどのチェックを行っています。様々なチェック項目があり、働きやすさや会社の理念やビジョンに納得して仕事ができているかなど、状況をトータルなデータで測ることができます。こちらもスタッフや社内の状態、弱みなどを全てデータ化して「100点満点中○点」と点数として算出されます。
全てデータ化して把握し、客観的に判断していくことで課題発見と解決のサイクルを早く、正確に行うことができます。現在の総合得点は90点台で、システムの提供会社様からも「なかなか見ることのない高得点だ」と驚かれています。
以前「健康」に関わる数値が低いことが判明した時には、「ホワイトデー」という社内制度を新しく作りました。月に一度、17時に退勤して自分のリフレッシュタイムを設けましょうという制度です。これは全社員が毎月必ず取得していて、取得率は100%です。この「ホワイトデー」の取り組みを始めてから、データ上での健康面の数値も改善されました。

全てをデータ化して判断する。ーまさに「コックピット経営」ですね

とはいえ、スタッフとのコミュニケーションの取り方としては「あなたはどう考えるのか、どうしたいのか」というところに重きを置いています。毎週金曜日には食事会を兼ねた1週間の振り返りを行い、そこで各自の設定したストレッチゴールの達成状況を報告し、称え合う会を行っています。「当事者意識の高い経営者集団をつくる」というビジョンに基づき月々の売上や利益などの情報共有はもちろん、組織全体での支援や経営戦略の共有、組織課題の発見・解決もこの場で行われることが多く、オープンで透明性の高い組織風土が形成されています。自分の担当業務を黙々とこなすのではなく、会社としてどう成長していくのかを全社員で考えるための取り組みです。会社の手足ではなく、スタッフ一人ひとりが頭で考えて行動する組織になるようにと考えています。

※まるで航空機のコックピットにいるかのように、社内状況の全てをデータとして可視化・把握するシステムを用い、分析データを元に迅速に意思決定を行う経営手法。

今後10年で1,000人規模の全国組織を目指す

今後の展望について教えてください

2028年に1,000名の全国組織をつくることを目標に掲げ、順調に計画を進めているところです。今期も前年比300%と大きく売り上げを伸ばして右肩上がりで成長中です。中でも特にデジタル広告の分野は広告先進国のアメリカではすでにテレビCMを抜いています。日本でも2桁成長を続けており、今後もさらに拡大していく領域だと考えています。

10年後に1,000名の組織への成長となると、かなりのスピード感が求められますね

現在のメイン事業であるWeb制作・ブランディングの受託事業を全国組織化して500名、その他に新規事業を5つ展開して合計1,000名組織へと考えています。現在のWeb制作と連動する部分も含め、今、会社が保有しているノウハウや営業力を活かせる新たな可能性を探っています。

変化の大きな業界、成長中の会社だからこそ仕事の面白さを楽しむ

御社の魅力はどんな部分にあると思いますか?

現在中心となる受託事業は1次請け案件がほとんどなのでプロジェクトの最上流工程から関わることができ、取り組みやすくやりがいのある仕事が多いです。また、まさに現在成長中の会社のため変化が激しいですが、それが面白さにもつながっていると思います。当事者意識を求める風土は責任も伴いますが、プロジェクトの担当者としてだけでなく「事業づくり」の目線で仕事を進めることができ、仕事に対する更なるやりがいや意義を見出すことができると思います。

どのような方が活躍されていますか?

営業スタッフは、誠実・真面目でやりきる力のある方が、クリエイティブスタッフは高い技術を持った方も多いですが、なにより最新のトレンドや技術をいち早く習得しようという勉強熱心な方が活躍しています。現在は平均年齢31歳と若いスタッフを中心に優秀で意欲のある人材が集まっています。

株式会社エム・ビー・エムが求める人材とはどんな方でしょうか?

現在は会社が大きく成長しているタイミングですし、Web業界もまさに朝令暮改で変化が激しく、その時々に最適な道を判断し直すことも多々あります。年齢・性別については特に問わないですが、基本的な会社のビジョンに共感し、柔軟性と高い意欲のある方が増えてくれると嬉しいですね。 現在はディレクターやデザイナー、エンジニアといったクリエイターや営業企画など、ほとんど全ての職種で積極的に正社員を募集しています。“エム・ビー・エム ウェイ”の「自分ごと」「事業づくり」「目線合わせ」に共感いただける方、スピード感を持って新しいことに積極的に取り組んでいきたいという方はぜひ私たちの仲間として参画していただきたいと思っています。

取材日:2018年7月2日 ライター:小山佐知子

株式会社エム・ビー・エム

  • 代表者名:代表取締役社長 吉本拡
  • 設立年月:2017年8月
  • 資本金:1,200万円
  • 事業内容:Webサイト・グラフィック・ソフトウェアの企画、制作業務、ブランディングおよびマーケティングに関する総合コンサルティング業務、ECサイトの運営、制作業務
  • 所在地:[本社]北海道河東郡音更町木野大通東14丁目1
        [札幌本部]北海道札幌市中央区南3条西8丁目2-1 SAKURA S3 2F
  • TEL: 0155-66-5757
  • URL:http://www.maybmarch.com/
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