WEB・モバイル2016.09.21

デザインだけを究める時代は終わり。 クリエイターが各自の力を発揮して、 あらゆる創作に挑戦し続けたい。

名古屋
株式会社ティー・オー・エム 代表取締役 社長 長谷川 渉氏
今回訪問した株式会社ティー・オー・エムは、創業20年を迎えるデザイン会社です。カタログやチラシ、ロゴといったグラフィックデザインを中心に、WEBデザインやイベントの企画・運営までを行なっています。取り引き先は、大手メーカーや官公庁、広告代理店と多種多様。最近では、オリジナル商品を展開して、個人のお客様との取り引きも広げています。ここでは、他社で活躍していた凄腕デザイナーが、楽しく仕事をしているといいます。その理由はどこにあるのか、また自社商品についての展開などを代表の長谷川さんに伺いました。

グラフィックを中心に、イベント企画・運営も行なう会社

まずは業務内容を教えてください。

設立当時の20年前からグラフィックデザインを中心にやっています。不動産のパンフレットやチラシが多いですね。

ホームページを拝見しますと、WEBだけでなくイベントの企画・運営もされていますね。

デザイン事務所にしては珍しいと思います。多角的なことをやらせていただいているので、案件によってはワンストップですべてお任せいただいています。営業担当がいることで機動力もあります。

過去に携わった仕事の一例をお聞かせいただけますか。

住宅センターのイベントでは、イベントの企画、それに関する印刷物のデザイン、外部の協力会社による設営に至るまで、代理店と協力して手掛けました。設営に関しては、弊社スタッフのつながりから実現するなど、外部に多くのブレーンを抱えています。変わった仕事には、会社の慰安旅行の余興イベントをお引き受けしたこともありますね。レクリエーションを考え、デザイナー全員がイベントスタッフとして参加しました。

一般消費者向けの商品「ナゴコロゴ」に注目!

株式会社ティー・オー・エム

最近では個人のお客様に対しても力を入れていらっしゃるそうですね。

「チラデザ」と呼んでいるチラシデザインです。5,000円からという格安の価格で提供させていただいています。

破格の安値で展開できる理由はどこにありますか?

通常、デザイン業務は修正が多く発生します。「チラデザ」では、修正の回数を決めることで安価な提供を実現しました。単価は安いですが、スタッフの修正業務量を減らしているわけです。

名前をオリジナルのロゴにする「ナゴコロゴ」という商品も魅力的ですね。

名付けの由来、希望のイメージなどを聞きだし、世界でひとつのオリジナルロゴを制作します。漢字とローマ字の2バージョンを作成し、はんこ、シール、キーホルダー、コンセプトカードをセットにしたパッケージで販売しています。

赤ちゃんが生れた時の命名書代わりにもいいですね。商品誕生のきっかけを教えてください。

ロゴの得意なデザイナーがいて、私の娘の名前のロゴを作ってくれたんです。とても良く出来ていていたので、商品として実現できたらいいねと話していました。日々の業務に追われ、なかなか着手できなかったのですが、ようやく始動できたところです。

企業ロゴではなく、個人名が対象になりますか?

はい。BtoBではなく、BtoCをやってみたいというところからスタートしました。クリエイティブという大きなくくりの中であれば、「ナゴコロゴ」のように社外の人とコラボすることもあるし、趣味をビジネスにしていくことも考えています。様々な分野に挑戦していきたいですね。

各自の能力を活かして、多様なジャンルの創作を!

会社として一番大切にしていることは、何ですか?

株式会社ティー・オー・エム

人ですね。クリエイターが能力を発揮しやすい環境を作るように気を付けています。物理的な環境、精神的な面の両方です。やりたいことがあれば、会社として応援するようにしています。

他社で活躍されていた敏腕デザイナーが集まり、チームワークがいい会社だと伺いました。その秘訣を教えていただけますか。

性格の悪い人は採用しないことです(笑)。人柄重視ですね。問題のある人は、自然と辞めていきます。最近、社員の紹介で若いスタッフが入社しました。自分の会社に知人を入れることはハードルが高いですよね。この会社に満足してくれているのかなと感じて、うれしかったですね。

クリエイターを大切にされているんですね。

以前、よくあったのが、社長自身がデザイナーでもある会社。そうした会社は、社長がクリエイティブな面を保ち、そのもとで作業をするといった体制のところが多いです。社員ではなく弟子のような立場です。そうした師弟関係のような時代は、終わったのかなと思います。弊社では、なるべくクリエイター個々の個性を活かすようにしています。今は、グラフィックにこだわらず、webや映像など新しい分野を模索中です。

具体的には、クリエイターにどのようなことを望みますか?

クリエイティブという軸はぶらさずに、いろいろ挑戦して欲しい思います。デザインを究めるのではなく、クリエイターとして自立していくためには、どういう方向を向いていくのかを自分で考えて欲しいと思いますね。デザインが上手くなることだけを目指していては、長いスパンで物を見たときに通用しないですから。

9月にはオフィスが移転し、心機一転です。これからの展望を教えてください?

クリエイティブで稼ぐ会社であり続けたいと思っています。クリエイターが思う存分、力を発揮でき、楽しく働ける会社でありたいです。

取材日: 2016年9月5日 ライター: 石崎幸子

 

株式会社ティー・オー・エム(TOM)

  • 代表者名: 代表取締役 社長 長谷川渉(はせがわ わたる)
  • 設立年月: 1996年5月
  • 資本金: 1,430万円
  • 事業内容: WEB(ホームページ)制作、各種広告出版物のデザイン、イベント等の企画制作
  • 所在地: 名古屋市中区丸の内3-6-27 EBSビル4F
  • URL: http://tom-ad.com/
  • お問い合わせ先: 052-253-7751
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