やりたい仕事がここにはある。 それができるかどうかはアナタ次第。

株式会社モノリス
株式会社モノリス コピーライター 増田隆一氏
1984年設立。大正時代のレトロなビルの3階に、天井を取り払い、室内をすべて洗練された白で統一したオフィスを構える株式会社モノリス。新聞、雑誌、ポスター、パンフレットなどクリエイティブな仕事で実績のある広告制作会社。コピーライターとして25年のキャリアを持つモノリスの増田隆一氏に、質の高い仕事を生み出すために必要なこと、またクリエイティブな仕事をしたい人たちへの思いを語っていただきました。

創業31年、ディレクターズ・カンパニーから 組織化された制作会社へ

モノリスのロゴマーク

モノリスのロゴマーク

社名のモノリスとはどういった意味なのですか?

1968年に公開された映画で「2001年宇宙の旅」というのがあるのですが、そこにストーリーのカギを握る謎の物体が登場します。その物体の名称がモノリス。それからとりました。

ロゴマークも面白いですね。

アメリカのスラングbull shit(たわごと、でたらめ)をイラストにして、禁止マークをあしらったもの。世の中や仕事や自分に対してそんな態度を取らずに、まっすぐなクリエイティブをめざそうという気持ちを込めたものです。

創業31年、制作会社として実績のある御社ですが、現在はどのようなお仕事を?

設立当初はディレクターだけの形態の会社だったのですが、今の社長が入社して制作部門の充実を図り、現在はディレクター3名、制作兼ディレクター4名、デザイナー6名、コピーライターが2名の体制です。創業のころからそうなのですが、「どうしたらいい?」という相談から始まる仕事やコンセプトメイクから始まる仕事が多いですね。代理店経由と直接取引の割合は半々くらい。最終着地点となる制作物も、マスコミ広告から、カタログ・パンフレット、WEB、ムービーと、幅広くやらせていただいています。

コンセプトやブランディングを踏まえた上で、 精度の高い表現をするのがプロの仕事。

コピーライターとしての長いキャリアの中でのご苦労は?

コピーライターってクライアントから“お題"を与えられてスタートする仕事じゃないですか。つまり、テーマがあってはじめて、言葉が生まれてくる。あるとき、テーマがないと全く言葉が出てこないことに気づいて。これは焦りました。とにかく自分の言葉で書こうと。まだブログとかがない時代に、自分でホームページを作って自分の言葉で発信を続けました。ようやくそれで自分の言葉を取り戻しましたね。

ブログやSNSができたことで、だれでも自分発信できるようになり上手い文章を書く人が増えたように思いますが。

自分の文章や思いを世に問うという点から見れば、いいことだと思いますね。ただ、さっきの逆の意味からいうと、自分で好きに書く文章はコピーや広告表現ではありえません。テーマを極め、媒体や企業風土、文字数などの制限のある中で、クライアントの思いをクライアントが思いもつかない言葉で、より効果的に伝えていく。それが、私の仕事です。

新しい言葉を生み出すのがプロですか?

言葉も大切ですが、そこに込めた思いありきですね。コンセプトやブランディングこそが、大事だと思います。それをどのような切り口で、精度を高めて言葉で表現できるかだと思います。

相手の琴線にふれる企画書づくり ロマンティストの社長へのプレゼンが得意

増田さんの強みはなんですか?

しいて言えば、響く言葉を駆使した企画書が書けること。 相手の意表を突くような企画書を書きます。ロマンティストの社長へのプレゼンは得意ですね。(笑)

感動させるような企画書ですか?(笑)

感動と言うより、相手の琴線にふれると言った方が正しいかな。好きな進め方としては、その社長に直接会って話を聞かずに、弊社の担当者から「どんな人?」、「どんな考え?」、「何が信条?」といろいろ聞いていきます。そこから、想像力を膨らませて、どんどん企画を言葉にして定着させていきます。実際に会うと現実的な話になったり、リアルにその人のパーソナリティの陰の部分が見えたりする場合もあるじゃないですか?(笑)

増田さん流、独自の考え方ですね。その他具体的に、お話いただけますか?

以前、有料老人ホームの仕事をさせていただいたとき、1人で入居される方用と2人で入居される方用の2つのパンフレットが必要だと提案させていただいたんですね。おひとりとおふたりではそれぞれの住まい方や残りの生き方が違いますよね。高いお金を払って、人生を託すわけですから細かなところまで気を配るべきではないかと。言葉の表現だけではなく、ツール形態としてホスピタリティを発揮する。プレゼンではそこを高く評価していただきました。

増田さんにとってどのような仕事が面白いですか?

大きな企業より、小さな企業の仕事の方が面白いですね。オーナーのキモチがストレートに伝わってくるので。 ある地方のご夫婦ふたりで始められた会社から、商品カタログといっしょに企業理念の言葉化もお願いされた会社があったんです。その社長さんが、「考えが、なかなかまとまらない」とおっしゃって。「それなら」とそのオーナーさんと交換日記のようなものをしました。

交換日記という発想がユニークですね。

ノリのいいデザイナーが手作りの日記帳を作ってくれて、これに思ったことや質問や夢など、なんでも書いてくださいといって渡したんです。そういうものをオーナーさんから受けとって、こちらでおいしく料理していく。いっしょに作り上げていく感覚が楽しかったです。

クリエイティブが好きで、 自分をアピールする積極性を持った人を求めています。

採用もご担当されているそうですが、感じることはありますか?

僕らの時代は「この作品はどこの会社が作っているのだろう」と興味を持って広告を見ていました。そして、これを作っている制作会社に入りたいと目標にするようになりました。いまは、面接で「こういう仕事がしたい」と答えてくれる人が少なくなりました。

そのような現状でどんな人を求めているのですか?

3度のご飯と同じくらい、クリエイティブが好きだと言う人。言い換えれば、生きること=クリエイティブをすることと無意識に考えて、日々を生きている人ですね。単なる「仕事」としか見てない人は弊社の価値観と合わないと思います。モノリスでともにクリエイティブする社員はみんな同じ気持ちで仕事をしたい。かなり難しいですが、そこは外したくないですね。また、世の中を見る目も大切。何を面白がるのか、そこが人と違うセンスを持ってる人がうちには相応しいですね。

最後にコピーライターやデザイナーを目指している人へ。

頑張ろうと言うキモチを出さずに心に秘めている人や、プライベートの話だと面白い視点を持ってる人もいますが、自分をアピールする積極性が欲しいです。あと、社員のスキルやモチベーションをどう引き上げていくか。それは私たちディレクターの課題。本人も「自分をさらに高めていい仕事をするにはどうすればいいか」を考える。それが自分の運命の分かれ道になると思います。

取材日:2015年6月18日

株式会社モノリス

  • 代表: 大松敬和
  • 設立: 1986年2月
  • 資本金: 1000万円
  • 事業内容: 広告制作プロダクション 企業戦略提案から平面及びCMによる広告表現まで
  • 所在地: 〒541-0054 大阪市中央区南本町2-2-2 明治屋ビル 3F
  • TEL: 06-6356-5370
  • FAX: 06-6356-5377
  • URL: http://www.monolith-net.co.jp/
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