ゲーム2022.05.02

プロプレーヤーからの転身!eスポーツを通じて、東北で人材育成、ゲーミング賃貸を展開

仙台
株式会社バサラ 代表取締役
Shohei Horita
堀田 翔平

eスポーツを通じた地方の盛り上げや、人材育成を目的として、2020年5月に設立された株式会社バサラ。eスポーツのプロチーム、施設、イベントの運営と、ゲーミング環境が整ったユニークな賃貸事業など事業展開を図っている同社の代表・堀田翔平(ほりた しょうへい)さんに、事業内容や今後の展望などについてお話を伺いました。

プロプレーヤーから、ビジネスを通じて支援する側へ転身

会社設立までの来歴を教えてください。

秋田出身で、高校卒業後に仙台の料理専門学校に進学。卒業後、東京の中華料理店に就職し、約2年、料理人として働いていました。その後、イベント会社に転職。海外に日本のゲームやアニメなどをPRする会社で、コンテンツの専門家(プロデューサー)として、サウジアラビアなど中東でイベントのプロデュースに携わるなどしていました。そこでビジネス経験を積み、今後さらに盛り上がっていくであろうeスポーツの裾野を東北にも広げていくための支援がしたいと思い、馴染みのある仙台に戻り「一般社団法人仙台eスポーツ協会」を立ち上げたところ、ちょうど、仙台の専門学校で「eスポーツ学科」が新たに創設されることとなり、講師も務めることになりました。
そうした経緯から、2020年にeスポーツにまつわる環境をビジネスで支援する株式会社バサラを設立したというのが、大まかな流れです。

eスポーツに入り込んでいくきっかけはなんだったのでしょうか?

もともと、ゲームは好きでした。料理人だった頃、当時まだ「eスポーツ」という言葉もなかった時代に、サッカー仲間とチームを組んで「レインボーシックスシージ」 というチーム対戦型のオンラインシューティングゲームで遊んでいたんです。当時メンバーで集まっては、ゲームをしないで、チームで勝つための戦略をホワイトボードに書きながら、みんなで練るといったこともしていました。競い合って勝つのが楽しかったですね。そのメンバーで大会に出たら、プロチームにも勝利するなどして、日本ベスト8という結果を残せて、プロにも認定され、プロのプレーヤーとしてしばらく会社員との兼業で活動を行っていました。

プレーヤーからビジネスを通じて支援する側に回った理由を教えてください。

「eスポーツ」という言葉も生まれて、業界が盛り上がっていくなか、一人のプレーヤーとして活動するよりも、eスポーツの普及や、業界全体を支援する側により魅力を感じるようになったからです。バサラの立ち上げを機に、事業を通じてeスポーツを様々な形で支援するようになりました。
さすがにプレーヤーとして大会に出ることはなくなりましたが、自分でもよくゲームはプレーしていますし、専門学校の講師は今でも続けています。

異業種とのコラボで、新しい価値を創り出す“ゲーミング賃貸”を展開

バサラの事業内容を詳しく教えてください。

現在の主な事業としては、eスポーツの施設運営、プロチームの運営、大会やイベントなどの企画・コンサルティング・運営支援になります。
eスポーツの施設運営は、仙台の中心部にある「仙台フォーラス」という若者が集まるファッションビル内に気軽にeスポーツが体験できる施設を開設して、運営しています。初心者から上級者まで、より多くの人にeスポーツを楽しんでいただく機会を提供しています。
eスポーツのプロチームの運営では、当社でeスポーツのプロチームを設け、契約したプロプレーヤーたちが大会などで好成績を出せるようにサポートしています。
eスポーツの大会やイベントなどの企画・コンサルティング・運営支援では、自治体や企業などが主催する大会やイベントの企画から運営までサポートしています。山形で行われた通信系企業が主催した大規模なeスポーツイベントや、七ヶ浜町が主催となったeスポーツイベント、仙台市卸町でのゲームフェスなどをはじめ、東北で行われた大規模なeスポーツイベントにはほとんどと言っていいほど関わっており数多くの実績を残しています。
また、新たにゲーミング賃貸事業をスタートし、今後、大きな柱となる事業へと育てるため注力していく予定です。

ゲーミング賃貸事業について、詳しく教えてください。

家具・家電付きの不動産物件がありますが、それと同様にゲーミングPC、モニター、ゲーミングチェア、デスクなどをあらかじめ設置し、快適なゲーム環境を備えた不動産物件の賃貸事業です。PCのスペックなども要望に応えられます。また、当社で、ゲーミング環境の保守・管理を担当しますので、機器等にトラブルがあっても速やかに対応できます。

ゲーミング賃貸についてはメディアに取り上げられるなど注目を集めていますね。

仙台の不動産会社とパートナーシップを組んで始めたのですが、リフォームして用意した物件1棟がすぐに申し込みで埋まるなど、非常に好評で、今後全国での展開を考えています。入居者の方々は学生など若い人が大半ですね。将来的には例えば、入居すればゲームのプログラミングをオンラインで学習できるといったスキル習得の機会を提供するなど、さらに付加価値を高める仕組みも考えています。

eスポーツに関わる人たちを多角的に支援する事業を展開

eスポーツ界における「プロ」と、バサラの立ち位置を教えてください

「eスポーツ」とひと言で言っても、多種多様なゲームタイトルがあり、それぞれのタイトルごとにメーカーなどが「プロ」のライセンスを認定しているような状況で、「プロ」と言っても明確な定義はありません。
「プロ」でも賞金で生活できるのはごく少数で、大多数は学生をはじめ、本業と兼業して「プロ」をやっている人がほとんどです。現状では、「プロ」として名前を売ってから、自らゲームのプレー動画を配信して、いわばユーチューバー的な活動で収益を得るというのが、一番スタンダードな成功パターンだと思います。
当社では、プロチームの運営も行っていますが、「プロ」としての頂点を目指すよりも、メインはそこに関わる人たち全般を支援して、裾野を拡げることに貢献するという事業を展開しています。eスポーツ業界でも変わった立ち位置ではないでしょうか。

社内の体制を教えてください

現在社員は、企画やコンサルティングをメインに動いています。もちろん、eスポーツ施設運営や、イベント運営などではアルバイトスタッフの方にも手伝っていただいていますが、社員ではありません。ただ、今後さらに仕事の量が増えて、ゲーミング賃貸の事業が拡大していくならば、社員も採用していかねばならないと考えています。

どんな人材と働きたいですか?

やはり、eスポーツ関連のビジネス展開をしているので、ゲームやeスポーツが好きな方が望ましいですね。そのうえで、まだまだ新しいビジネスを立ち上げていきたいと考えていますので、積極的に新しいことにチャレンジできる方、長い目で見て周りの方を巻き込んでいける方と働きたいです。

バサラの目指す目標、今後のビジョンを教えてください

eスポーツを通じて、宮城、東北の産業の活性化に貢献したい、新たな産業を生み出したいというのが、バサラ設立からの思いであり目指すべき目標です。そのためにも、eスポーツ周辺に存在している若い人材を集めて、どのように成長の機会を提供できるかが今後の大きなカギになると考えています。 バサラは現在、Tシャツデザインファクトリーの株式会社AZOTHと、建築設計事務所・工務店業を展開する株式会社T-planが、オフィスをシェアするリノベーションビルに本社を置かせていただいており、クリエイティブな環境をはじめ、さまざまな面から影響を受けていますね。 ゲーミング賃貸事業も不動産会社とのコラボレーションで実現した事業です。今後はさらに異なる業種と連携することで、互いの強みを生かして相乗効果が生まれるような、今までにない事業を創り出していきます。

取材日:2022年3月9日 ライター:高橋 徹

株式会社バサラ

  • 代表者名:堀田 翔平
  • 設立年月:2020年5月
  • 事業内容:eスポーツチーム運営、eスポーツ施設運営、eスポーツイベント企画・運営・コンサルティング、ゲーミング賃貸
  • 所在地:〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2-5-7
  • URL:https://basara-esports.co.jp/

※記事内記載の社名、サービス名などは、各社の商標または登録商標です

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