WEB・モバイル2022.03.23

企業理念は「他喜業」。お客さまが喜ぶWebサイトの成果を重視。仕事に前のめりな「オレンジ企業」

広島
株式会社アンドステッチ 代表取締役
Masashi Tamehiro
為廣 正志

広島に拠点を置きWebサイト制作を手掛ける株式会社アンドステッチ。全国のクライアントから顧客対応と成果を高く評価されるなど、注目を集めています。今年5年目を迎える若き会社を率いる為廣正志(ためひろ まさし)さんに、会社設立から現在までの経緯や仕事に対する姿勢などを伺いました。

独学でWeb制作を極め続け起業へ

広島でWebサイトの制作からSEOや成果の改善までを行う株式会社アンドステッチ

事業内容について教えてください。

新規Webサイトの制作が主な業務です。業種業態はさまざまですが、ほぼ100%といってもいいほど県外、主に関東方面の企業からご依頼をいただいています。Webサイトは作って終わりではなく育てていくものですから、改善やSEO対策など運用コンサルティングも行っています。

県外のお仕事も多くされていますが、拠点は広島なのですね。

そうですね。生まれも育ちも広島です。地元である広島が好きでしたし貢献したいとも思っているので、仕事も広島でしています。新卒で入った会社は違う業種の仕事だったのですが、それ以降はWeb制作に関わる仕事をしています。

以前は、どのようなお仕事をされていたのですか。

私は子どものころから車の製造に関わりたいと思っていて、高校・大学と工学部を専攻しました。卒業後は自動車業界に勤め、図面を引く仕事をしていました。憧れていた仕事に就くことができて充実した日々だったのですが、3年目を迎える時にリーマンショックがあり、状況が一変してしまいました。他部署への異動の打診もいただいたのですが、本意ではなかったので退職を決意しました。

Web制作の世界に入られたのはなぜですか?

自動車業界を辞めてから「さて、これからどうしようか」と考え始めて。僕は洋服が好きで大学生になると、自分でカスタマイズしたり革細工で鞄を作ったりしていました。アパレルでデザインの仕事に進むことも考えたのですが、知識も経験もないし、専門学校に通うには時期が中途半端だったりもして。他にデザインの仕事はないかと探していた時にWebデザイナーという職業を知り、3カ月の通学講座を受講しました。

受講後すぐに就職できたのですか?

未経験で雇ってくれるところはなく、転職に苦戦していたのですが、1社だけ「挑戦してみたら」と私を採用してくれました。その会社は広島でフリーペーパーを発行している会社で、Web担当として入社しました。いざ入社してみたらWeb担当が僕しかいない状態で。前任者との引継ぎもなく他に状況がわかる人もいない、そんなスタートでした。そこでは自社サイトの制作・運営と、関連会社のサイト制作などを任されました。本当に独学で仕事をしていました。わからないことを本やネットで調べたり、セミナーに参加したりして、知識と経験を蓄えました。

一人で学びながらのお仕事は大変ですよね。

とても大変でした。でも、ここでの経験があったから今の自分があると思っています。この会社の行動指針に「できない言い訳をするな。できる理由を見つけろ。」という言葉があり、試行錯誤しながら働いていました。だからこそ形にするにはどうしたらいいかと考える力や自分で解決する能力が養われたと思っています。

そこから起業されたのですか?

いえ、もう1社、制作会社を経験しています。フリーペーパーとWebサイトを作る考え方の違いを感じるようになり、もっとWebサイト制作を追求したいと思うようになりました。また自社サイトだけだと制作物のテイストや周囲の満足度も変わらないですし、もっとスピード感を持って仕事をしたいという思いもあり転職を決めました。やはり数をこなさないと制作物のクオリティは上がらないですからね。次のWebサイト制作会社では営業担当がディレクションまでしてくれていたので、制作に専念できました。5年ほどの在籍期間に、多種多様な業種のサイトを制作しました。

その中でWebサイト制作で新たな課題がみえてきました。それは作ることが目的で公開して完了となり、その後の結果に重きを置いていない点です。広島の制作単価は他県に比べてかなり低いんですが、それは正しいゴールの設定ができていなくて成果が出せていないから、名刺代わりにWebサイトを作るという企業の発想になり単価が安くなる負の連鎖が起こっていると考えています。広島で成果までを追求した制作会社を作りたいという思いが強くなり起業に至りました。

制作物の成果を重視し、1社1担当制でデザインからコーディングまで手掛ける

Webサイトの成果を重視し日々業務に夢中で取り組む。広島では珍しい1案件を1担当者がデザインからコーディングまでを携わるスタイル。デザインからコーディングまでができて1人前のデザイナーと呼べる。

業務内容は新規のWebサイト制作と改善運用とのことですが、どちらの比重が高いですか?

これまでは新規のWeb制作の比率が高かったのですが、昨年から改善運用に力を入れ始めました。これまでも改善運用を担当することはありましたが、最近大きな結果を出せたことがきっかけです。改善をして成果が出るまでには時間がかかるものです。日々アナリティクスなどのデータとにらめっこして、さまざまな方面からヒントを探り出していき改修するという繰り返しです。ようやくその芽が出てきたので、起業当初の目的であった「Webサイトの成果を高める」ことにも力を入れてきています。

具体的にはどのようなことがあったのですか?

「他社で制作したサイトが、検索順位も下がるし問い合わせも減っているので、何とかしてほしい」とご相談をいただいたんです。 弊社に改めてお任せいただき、サイトのリニューアルをして運用も改善したところ、以前そのサイトが絶好調だった時よりもさらに伸びて、300%増しの結果を出すことができました。これは自分たちにとっても自信になりました。弊社の企業理念である「他喜業(タキギョウ)」に相応しい仕事だったと思っています。

「他喜業」という言葉を初めて聞きました。

「他喜力」という言葉があるんですよ。「他人を喜ばす力」という意味で、仕事自体がそうありたいと思って「他喜業」という言葉を作りました。自分以外の人をどれだけ喜ばせられるか、どれだけその人のことを考えられるかが、結果として「良い仕事」に結びつくと思っています。
仕事は、お客さまだけでなく、同僚や、支えてくれる家族などによって環境が作られます。自分がよいパフォーマンスを出すためには必要な存在です。そんな人達も楽になったりよいパフォーマンスを出すには他者からのサポートがあるとよいと思います。だからこそまずは自分以外の人に喜んでもらえるよう行動することが大事だと思います。その先にWebサイトを使う人のことを考えたデザインなどができるようになると考えています。やはりWebは効果を出さないと価値がないんです。常にどうしたら良い結果に結びつくか、使いやすいデザインにできるかをしっかり考えて取り組んでいきたいと思っています。

他に大切にしていることはありますか。

弊社はデザインからコーディングまで1人の制作者が担当しています。デザイナーはデザインに、コーダーはコーディング作業に専念する方が作業効率は高いかもしれません。しかし分業してしまうと、デザイナーはSEOなどを理解したデザインができているのか、コーダーはデザイナーの意思をしっかり反映するコーディングができているのかという問題も発生します。僕は一貫して同じ人が制作する方が、制作物のクオリティは格段に上がると思っています。作業効率より制作物のクオリティを重視して、1企業の制作を1人の制作者が担当することにしています。クオリティの向上だけでなく、制作者のスキルアップにもつながると考えています。 他には「レスポンスは早く」を心掛けています。お客さまからの要望にはすぐに応える。私たちの業務はお客さまの売上にも直結しますからね。対応の一つひとつでも喜んでいただき、お客さまに満足してもらいたいです。

ブラックでもホワイトでもない「オレンジ企業」もあっていい

世の中の流れに流されず、常識を疑い自分のまなざしをデザインして行けるデザイナーであってほしい。変化を人任せにしてしまうと進化はできない。

御社ではユニフォームを作っているそうですね。

そうなんですよ。これまで春夏にTシャツ、秋冬にパーカーでユニフォームを作ってきました。その時々のスローガンを入れるんです。今着ているのは「Webマスターになる」です。常に技術が移り変わるWeb業界で、「Webマスターだ」なんて、なかなか言い切れない(笑)。でも「言い切れるようになるんだ」という気持ちが大切だと思っています。それに、同じものを着てスタッフ同士で一体感を持って仕事をしたいという思いもあります。あとは「ジョブズ方式」。毎日着るものに迷わなくてよい、とも考えました(笑)。

今日のユニフォームや名刺にもオレンジが使われていますが、会社のテーマカラーにされているのですか?

はい、オレンジは元気な色ですから。仕事に対しても前向きに楽しみながら取り組みたいと思っているんです。最近は働き方で「ホワイト企業」だの「ブラック企業」だの言われますが、趣味のように夢中に働く「オレンジ企業」っていうのもあっていいじゃないかと思っているんですよ。

面白いですね!「インセンティブ制度」を導入しているのもそういった考えからですか?

はい。弊社では担当した案件の数パーセントをボーナスとして支給する「インセンティブ制度」という仕組みを作っています。案件の振り分けはスケジュールの状況と担当者のスキルを考慮して決めていますね。
それぞれの案件ごとに、単価も、求められるスキルも違うので、より良い案件を担当したければ、自分のスキルを磨かなければなりません。デザイナーのスキルが上がれば、営業にももっと良い案件をとってきてほしいと言えるようになるし、営業もそれに応えようと頑張ります。お互いに良い刺激になっているようで、社員は前向きに捉えてくれています。その他にも制度を作っています。弊社は成果を重視しています。結果を出すために業務だけでなく、勉強やチャレンジなどをして成果を出した人を正しく評価していきたいと考えています。

今後、力を入れていきたいことはありますか?

広告やマーケティングにも力を入れていきたいと思っています。現在は制作が3人、営業が1人なのですが、もう少し人を増やしてこれらの業務も対応できるようにしたいですね。会社としてできることも増やして、もっとお客さまのWebでより成果を出せる体制を作っていきたいです。いつもスタッフに言うのですが、「一番」であると言えるものを作りなさい。競争において総合優勝できるのは、結果的に一番を多くとったところです。だからこそ一人ひとりの力が必要なんです。まずは「広島のWeb制作ならアンドステッチ」と言われることを目指しています。

一緒に働く人材に何を求めますか。

今年の弊社の目標は「掛け算大作戦」なんですね(笑)。それぞれの力を足し算ではなく、掛け算になるような関係でいたいと思っています。そのためには一人ひとりが自発的に行動することが大切だと思っています。一人が新しいスキルを身に付けるだけでも、お互いに影響し合えると思います。常に周りに影響を与えるような関係が築ける人が良いですね。あと、謙虚さも大切です。自分の仕事に自信を持つあまり、他の人の意見は受け入れないと突っぱねるのではなく、柔軟に対応するための謙虚さを忘れてはいけないと思います。

最後に業界を目指すクリエイターにもアドバイスをお願いします。

この業界はどっぷりつかると面白いですよ。自分がやった仕事の手応えをしっかり感じられるのが良いところです。常に新しい技術や手法が出てくるので飽きないですし、自分で仕事を深堀りできる人にはやりがいのある業界です。ただ変化の激しい業界だからこそ、常に勉強してください。これは僕自身が心掛けていることでもあります。『現状に満足したらそこで終わってしまうので、まだまだ足りないと常に吸収する姿勢は大切にして欲しい』と思います。

広島でWebサイト制作のプロフェッショナルとなりたい方!ぜひ一緒に成長しながら働きましょう!東大よりも難関ですが挑戦だけが未来を作ります。

取材日:2022年2月7日 ライター:山名 恭代

株式会社アンドステッチ

  • 代表者名:為廣 正志
  • 設立年月:2018年2月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:ウェブサイト制作・改善運用(コーポレートサイト、CMSサイト、ECサイト、ランディングページ)
  • 所在地:〒732-0828 広島県広島市南区京橋町5-14 サンエールビル301
  • URL:https://and-stitch.co.jp/
  • お問い合わせ先:050-3557-0213

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