プロダクト2022.02.16

デザイン全般からプロダクトも企画開発してきたデザインNOGA株式会社の類まれなるチャレンジ精神

福岡
デザインNOGA株式会社 代表
Yoshihiro Nogami
野上 佳広

パッケージデザインの会社から独立し、ゼロからのスタート。その後は、パッケージのみならず、各種印刷物の、広告・販売促進物制作、CIやVIなどのイメージ戦略から販促計画・サイン計画・デザインまでのトータルデザインも手掛け、関連会社では商品自体も開発しているデザインNOGA株式会社。社長である野上佳広(のがみ よしひろ)さんは、その経験をもとに悩める中小企業の経営者に商品開発や販促のアドバイスを行い、福岡のみならず鹿児島などからも依頼がくるほど。創業からこれまで、どのようなチャレンジを続けてきたのか、お話を伺いました。

運を味方につけ、挑戦を続けてデザイン全般を手掛けるまでに

創業されるまでの経緯について教えてください。

以前勤めていた会社で社長まで任されていたものの、さまざまな事情から2009年に独立。独立準備をしないまま辞めてしまったので、まさにゼロからのスタートでした。ただ、偶然にもクライアントだった会社の会長が声を掛けてくださって、所有されていたビルのフロアの一角を貸していただけることになったんです。前の会社で一緒だったデザイナーが2人来てくれて、デザインNOGAを創業。この数年はコロナ禍の影響があったものの、なんとかここまで続けてこられました。

最初から順調だったのでしょうか?

これまで社長の経験はあったものの、それは前の会社の看板があってのこと。まったく新しい会社ですから、信用なんてほぼありません。カードも作れませんし、銀行もお金を貸してくれません。ただ、以前からお世話になった方たちがいろいろと助けてくださって、仕事が徐々に増えていきました。

どのようなデザインを強みとされてきたのでしょうか?

今でこそデザインはパソコンでの作業が当たり前ですが、私がこの業界に入った時は、まだまだ手作業でした。パッケージデザインを主にやってきたのですが、サンプル一つ作るために、カッターで切って組み立てるという、まさに職人のような世界。パソコンで作業をするようになると、その職人技の世界が大きく変わり、グラフィックデザインとパッケージデザインの垣根みたいなものがなくなったと感じています。

パッケージ以外のデザインにも進出されたのですね。

独立後に、広告代理店に勤めていた先輩に声を掛けてもらって、手始めにパンフレットの表紙や中表紙のデザインに挑戦させてもらいました。これが意外と好評で、ある金融機関の通帳デザインや封筒などのツールを作らせていただくことになったのです。そこからさらに広がって、企業のシンボルやロゴマークといったVI(ビジュアル・アイデンティティ)やCI(コーポレート・アイデンティティ)に至るまで、デザイン全般を手掛けていくようになっていきました。

事業は広がる! 商品開発からプロダクト制作のアドバイスも

今はデザイン以外の事業も展開されています。

パッケージデザインだけでなく、商品そのものを開発するようにもなっていきました。スーパーなどで扱う商品ではなく、例えば、ご夫婦二人で、こだわって作っているような商品を、カタログ販売向けの商品として売り込んでいきました。そのうちバイヤーさんから、デザイン会社だと何かと都合が悪いと言われて「株式会社新鮮カンパニー」という別会社を立ち上げることになったのです。大量生産はできないし、商品は少し高価だけれども、こだわりの商品とパッケージで根強い人気を得ていました。ところが、カタログ販売の会社が大手百貨店に吸収合併されて方針が変わります。一転して安価なものが求められるようになってしまったのです。そこで、流通に頼らない方法として、地元の神社で開催されているマルシェ(即売会)に参加。月に1回開催されているイベントなのですが、続けて販売しているうちにいつの間にか固定のお客様ができて、売り上げも伸びてきました。

どのような商品でしょうか?

塩麹(こうじ)を使った「ぽん酢」です。最初は塩こうじのドレッシングを作ろうと思ったのですがコストがかかり、単価が高くなってしまうことから、プロのアドバイスでぽん酢に変更。塩麹を使っているので、他にはない白いぽん酢ができあがり「白ぽん酢」と名付けました。白だけだとちょっと寂しいので、しょうゆをベースにした「黒ぽん酢」も作りました。

デザインや商品開発の経験が生かされたことはありましたか?

このぽん酢を展示会などで紹介していた時に、あるスイーツの会社を経営されていた方に知り合いました。その方は、さまざまな経験を生かし、各県にある「中小企業振興センター」の“よろず支援拠点”でアドバイザーをされていたんです。ある日、その方から「パッケージや商品開発のアドバイザーがいないので、やってみないか」と、電話が掛かってきたのです。普通は面接などがあるそうなのですが、会社案内を見せたところ即採用。これまでの長いキャリアを認めていただけたのだと思います。そのことを皮切りに、国が運営する機関や商工会議所のアドバイザーも引き受けることになりました。

どのようなアドバイスをされていますか?

中小企業の場合は、商品開発後、できる限りコストを押さえて商品を売り出したいと考えています。私自身、デザイナーと商品開発の両方を経験してきたため、コストを念頭におきつつ、クオリティーの高いデザインを提供することを、常に追い求めてきました。例えば、「箱もののパッケージでなく、デザイン性の高いシールを貼れば、コストを抑えつつ商品をアピールすることもできるのでは?」といったアドバイスをしています。消費者が何を求め、どのようなものが売れるのかということを踏まえていれば、クオリティーの高いデザインを提案することができ、コスト優先で選ばれがちなシールでも、十分に消費者にアピールすることが可能だと思っています。
広告代理店であればマーケティングをもとに商品を開発していくのでしょうが、私の場合は「形ありき」。商品があって、それをどのように売っていくのか、どんなパッケージや販促ツールが必要なのかを考えていくことを大切にしています。

その他にもいろいろ手掛けていらっしゃいます。

毎年、チャレンジする、新しいことを勉強していくという誓いを立てています。あるビルのオーナーさんからは、ビル全体のコーディネートを任されました。その中で、屋上の塔屋に看板をかけることになり、看板(サイン)制作の経験がある人材を採用。新たに専門の事業部を立ち上げたんです。今までの仕事の中で印象的なのが、冬の風物詩である「福岡クリスマスマーケット」のカップデザインです。福岡のクリスマスマーケットは2003年からスタートしていますが、第1回目からマグカップデザインを手掛けさせていただいています。もともと企画をしていた方と、ちょっとしたことで知り合いになったのがきっかけで、それから毎年、デザインを手掛けさせていただいています。

デザインNOGAが考える、仕事をするうえで必要なこと

チャレンジに必要なことは何でしょうか?

次から次へと新しいことに取り組んでいきますが、そのすべてが人と人のつながり、ネットワークです。一生懸命やっていれば、必ず誰かが声を掛けてくれるでしょう。足を運んで、コミュニケーションを取って、いろんな相談にのったりしていく中で、いつかタイミングが合って仕事が発生してきます。「フットワーク」と「ブランディング」。これができたことで会社を続けてこられました。

デザイナーとして必要なことは?

デザインは1回、1回が勉強です。どこで売るのか、誰に売りたいのか、きちんと理解して考えていく。例えば、百貨店や海外に売り出したいという商品があれば、きちんとした箱が必要でコストもかかります。そういったメリット、デメリットをきちんと伝えたうえでデザインをする。そのような、深くクライアントの実になったデザインを続けていきたい。そのためには、やはり直接オーナーの方と話すことが大切です。相手も真剣ですから、それだけ私たちにも責任が生まれますし、中途半端な気持ちではデザインはできません。

どのようなデザイナーと働きたいでしょうか?

私が今まで蓄積してきたノウハウを、いつか若い世代に引き継ぐことができればと思っています。今の若い人たちは、自分にないものをたくさん持っていると感じていて。そんな、いい意味でライバル意識を持てるような人たちと、一緒に仕事ができたらと思っています。「自分に任せてください」と言ってくれる、存在感のある人と仕事ができると嬉しいですね。

取材日:2021年12月16日 ライター:野村 真由美

デザインNOGA株式会社

  • 代表者名:野上 佳広
  • 設立年月:2009年4月
  • 資本金:500万円
  • 事業内容:デザイン部門 商品/クリエイティブデザイン サイン計画・プランニング部門 サインデザイン/施工工事
  • 所在地:〒812-0014 福岡市博多区比恵町1-8 サンいずみⅡ 5F
  • URL:http://d-noga.co.jp/
  • お問い合わせ先:092-414-4123 

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