WEB・モバイル2022.01.12

常に成長する心を忘れず顧客ファーストで進むアイエムジー

京都
株式会社アイエムジー 代表取締役
Seizai Nishiyama
西山 成在

「身を削って働いた会社員時代を通して、会社のあるべき姿を学びました」と語る株式会社アイエムジー代表取締役の西山成在(にしやま せいざい)さん。

独立前に7年間在籍した会社では営業職として、毎日30社以上もの飛び込み営業をこなしてきました。そうして力をつけてきた日々が、今の西山さんを支えています。

広告業からスタートし、グラフィックデザインや看板デザインWebサイト制作、Web広告、そして宿泊業まで幅広い事業を手掛けるアイエムジーは、これからも変化を止めません。変わり続ける時代の中で、常に新しいもの、コトを取り入れて成長していく会社の姿を追います。

 

過酷な営業経験で忍耐力を得る

ご自身のキャリアについて教えてください。

学生時代、社会人になっても基本的にずっと京都で過ごしてきました。高校を卒業してから、3年ほど工務店に勤め、それからさまざまな職を経験しましたが、ビジネスの基本であるコミュニケーション能力を磨くために営業職に就くことに決めました。

業種は特にこだわりはなく、とにかく人と接することで得られる経験を積みたかったんです。縁があって採用してもらったのが、地元京都の広告代理店です。24歳の頃でした。

その会社ではどのようなお仕事を?

毎日飛び込み営業をしていましたね。7年間全うしました。きつい経験でもありましたが、悪い面ばかりではありませんでした。私はもともと人としゃべるのが得意ではなかったのですが、飛び込みで初対面のお客さまと話しているうちに、自然とコミュニケーション能力が上がりました。忍耐力も相当養われたと思いますね。

その会社では紙媒体の広告を手掛けていましたが、当時はインターネットの黎明期。

お客さまのニーズが紙からWebへと変化しつつあり、広告代理店業界も転換期でした。そこにリーマンショックという大きな波が起こり。

そのとき常に新しいコンテンツを取り入れていかないと厳しいビジネスの世界では生き残れない、と学んだんです

 

自宅の2階で個人事業主としてスタート

起業を決意したのはいつ頃でしょう?

社会の変化を感じて自分もこの先どうするか、会社での7年間の経験を生かして何ができるのかをゆっくり考えたいと思い、2009年に退職しました。

充電期間の間、別の会社に再就職するか独立するか、悩みましたね。考えた末に独立を決めたのは半年後、31歳のときです。決めたら躊躇はなかったです。

父親が事業をしていた影響もあって、起業への思いをもともと持っていて、自分に根拠のない自信があったので。自宅の2階を事務所にして、個人事業主としてスタートを切りました。

初めは会社ではなく、1人でお仕事をされていたのですね。

はい、営業を自分ですべて担当し、制作は外注先に依頼していました。初めは事業内容を書いたA4サイズのリーフレットだけを持ってお客さまの会社へ伺い「仕事をください」と頭を下げて。

最初にお仕事をもらった時は嬉しかったですね。「会社という後ろ盾がなくなっても仕事をもらえた!」と。周りから「起業してやっていくのはそんなに甘くない」と言われたりもしましたが、滑り出しは思ったより悪くはありませんでした。以前に勤めいた会社で担当させていただいていたお客様にも随分と助けていただきました。

そこから会社にされたのはいつ頃でしょう?

個人事業主として事業を続け、2018年に法人化。「株式会社アイエムジー」を立ち上げました。この社名は退職前から考えていたんです。何の事業をするかも決めていなかったけれど、いつか会社を立ち上げるなら名前はこれがいいって。

アイエムジーのアイ(I)は「双方向性」を意味するInteractiveインタラクティブ、エム(M)は市場調査や活動の意味でのMarketing、ジー(G)は新しいものを発生させる意味でのGenerate、を意味しています。お客さまとのコミュニケーションを大切にし、そして動き、新しいものを生み出していきたいという気持ちを込めてつけました。

 

何よりも大切なのはお客さまとのコミュニケーション

Webサイト:https://img-a.jp/

御社の事業内容について教えてください。

チラシや名刺などのあらゆる印刷物、ロゴや看板、Webサイトなどの制作を手掛けています。

これらのデザインは、最初は外注でしたが今はほぼ社内のデザイナーが手掛けています。内製化したことでお客さまへのレスポンスが早くなり、デザイナーにもより責任感を持って仕事をしてもらえるようになりました。

また法人化前後からインバウンドの急激な増加があり、2015年からは宿泊事業にも事業領域を広げ、京都駅近くなどで数軒のゲストハウスを運営し始めました。当時、政府が日本全体で2020年には、4000万人のインバウンドの取り込みを目指していましたが、このコロナ禍はまさかの事態でした。

ただ自分たちの力でコントロール出来ないことを嘆いてもしょうがないですし、新しい需要の取り込むことを考え、現在はリモートワークや出張、仮住まいなどのお客様にご利用いただいております。すこし先になりますがインバウンドの回復期は必ずやってくると考えています。

お仕事の上で、大切にされていることは何ですか?

お客さまの意向をいかに汲み取るか、が最も大切にしていること。例えばお客さまの中には中小規模の会社さんも多く、原稿1枚だけを渡されて「これでカッコよく作っておいて」というケースもあるんです。

わずかな情報だけしか与えられなくても、お客さまの会社のカラーや社長の好みなどをお付き合いの中から探り、どういったものを作りたいのかを考えます。お客さまが言葉にしきれない「理想の形」をいかに作りあげるかがポイントです。

どうやってそれを探るのでしょう?

打ち合わせの場はもちろん、日々のコミュニケーションも大事ですね。フットワーク軽く、こまめにお客さまのもとへ伺って、意見を聞くようにしています。

また、私がお客さまの意見をデザイナーへいかにうまく伝えるかも重要です。デザイナーはお客さまとは直接会えませんから、橋渡し役である私がお客さまの意向を読み解いてわかりやすく伝えなくてはいけません。

提案をしていく中ではお客さまと意見が合わない場面も当然あります。こちらの方がいいのでは、という時には事例やアクセス解析などの具体的なデータを用いて根拠のある提案をします。

それでも最後に選ばれるのはお客さまですから。無理な提案は通しません。お客様の要望が何よりも大切だと思っています。

お客さまと真摯に向き合う姿勢を大切にされているのですね。

向き合うのは、仕事のアップ後もです。「Webサイトの画像を入れ替えて」「ちょっとテキストを追加して」など、簡単そうに見えても実はそれなりに手間がかかる作業を、気軽にお願いされることもあります。デザイン業ではよくありますね。

そういう時は、理解が得られるようにお客さまにきちんと説明をします。私たちは広告のプロですから。専門的なことをわかりやすく説明する責任があるんです。

今お仕事をお願いしてくださっているお客さまとは、長いお付き合いのところが多いです。

なかには、お付き合いが終わってしまうところもあります。そんなときは自分たちに足りなかったものを考えて改善し、次につなげるために考えるようにしています。

 

変化を恐れず、常に前へ

これから取り組んでいきたいことがあればお聞かせください。

今のテーマは「いかに楽にして仕事をするか」。手を抜くという意味ではなく、効率化を図って無駄なコストを削減し、その分、質の高い仕事をしよう、という発想です。

これまでは自分の成功体験に基づいて飛び込み営業でがむしゃらにお客さまを獲得しようとしていましたが、それはただの自己満足に過ぎないと気づきました。

特にコロナ禍でデジタル化が一気に進み、さまざまなツールを用いて効率化を図る大切さを知って。

従業員にはリモートワークで仕事をしてもらい、自分自身の働き方についても考えるいい機会となりました。私も含めて必ずしも会社にいる必要はなく、例えばひと月のうちの1週間は京都以外の土地で仕事をしてもいいかもしれません。ずっと同じオフィスの空間にいるよりも新しい発想が生まれそうですしね。

事業についても考えていることはありますか?

今年からはWeb広告に力を入れ、属性を絞ったターゲティング広告にも事業展開し始めました。これから先はWeb関係の案件をさらに増やし、動画の撮影や制作にも手を広げていきたいと考えています。

Web広告は少し前までは大きな広告予算を持った大企業だけのものでしたが、今では中小企業でも取り入れるのが当たり前になってきました。広告手法としてますますメジャーになっていくでしょう。

また、自社のブランディングにも本格的に取り組みたいですね。近いうちにオフィスを改装する予定で、それにあわせて動画サイトで社内の様子を発信したいと考えています。

作業風景や打ち合わせのシーンを動画にまとめて、私たちの価値や、どういう想いでお客さまの制作物を手掛けているのかを伝えたいんです。

新しいチャレンジが楽しみです。

今の事業の柱は広告業と宿泊業ですが、さらに事業の幅を広げ、多面体の企業にしていきたい。

今回のコロナ禍では広告・制作事業にはほとんど影響は出ませんでしたが、宿泊事業は大きなダメージを受けました。

予想のつかない事態に備えて収益源は複数確保しておかないといけない、と痛感したんです。すぐに売り上げが出る短期的な仕事と、10年20年先を見据えた長期的な仕事。この両方を手掛けていきます。

また、20代や30代の若い方たちと話をし、彼らの話を聞く機会も増やしたいですね。現在仕事でお付き合いがある方は私と同年代の30代後半から40代くらいの方が多いので、今の若い方たちがどんなことを考えているのかも、もっと知りたいです。

さまざまなことを吸収したい、という気持ちを常にお持ちなのですね。

新しい発想を生み出していくためには、自分の頭も常に更新していく必要があります。考え方にクセがついてしまうと、なかなか気がつかないので、そのままでは、成長はゆるやかで終わってしまうかもしれません。

働く場所や触れ合う人たちを限定せず、常に新しいものに触れていたいです。

人生はあっという間ですから、こんなはずじゃなかった、とは言いたくありません。目標は大きく志は高く、仕事に向き合っていたいです。

取材日:2021年11月5日 ライター:土谷 真咲

株式会社アイエムジー

  • 代表者名:西山 成在
  • 設立年月:2010年3月
  • 事業内容:広告宣伝の企画・制作、グラフィック・ロゴ等のデザイン、印刷物・看板等の制作、Webサイト制作・企画・管理・運営、動画制作、各種イベントの企画、運営、不動産の賃貸借ならびに管理、宿泊施設の企画・管理・運営
  • 所在地:〒612-8439 京都市伏見区深草五反田町6番地9
  • URL:https://img-a.jp/
  • TEL:075-641-0985

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