アニメ2021.03.10

マンガ・アニメが持つ力を、人・商品・企業・地域とつなぎ発展させる新潟・シーリンク

新潟
シーリンク株式会社 代表取締役社長
Toru Yoshikawa
吉川 徹
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2020年10月に設立した新会社!漫画・アニメなどを使った新たなコンテンツや情報発信を展開していきます!

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越後国(新潟)のお姫様Vtuber「がたひめ」のYouTubeチャンネルもぜひご覧ください!→https://www.youtube.com/channel/UC94yTNeou3yQK-0kNM1zY5g?reload=9

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飲食店と消費者をつなぐフードロス対策アプリ「シェアトク」!詳しくはこちら→https://sharetoku.info/membership/

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台湾での新潟観光誘致のバス広告も手掛けたりしています。

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2020年10月に設立したばかりのシーリンク株式会社は、新潟テレビ21(通称:UX、新潟のテレビ朝日系列)の子会社です。新潟に古くから根づくマンガ・アニメの文化を活かした事業展開で、あらゆるニーズの掘り起こしを狙っています。新潟テレビ21の取締役で、シーリンク株式会社の代表取締役社長でもある吉川徹(よしかわとおる)さんに現状の課題や今後の展望についてお聞きしました。

 

「地域で最も愛されるテレビ局」を志す新潟テレビ21の新たな挑戦

会社設立のきっかけと経緯について教えてください

シーリンクの親会社である新潟テレビ21(以降UX)のお話になりますが、インターネットの台頭からテレビの視聴数は減り収益は低迷しています。そこで放送事業以外にも多角化を図ることを目的とし、新規ビジネスに参入する流れとなり「強みを活かした新事業」としてたどり着いたのがマンガ・アニメコンテンツでした。実は新潟出身の漫画家や、アニメーション業界で活躍している方は多く、地域文化としての下地があります。また、冊子やWEB、商品パッケージに至るまで、今はキャラクターを採用したものが身のまわりにあふれています。マンガ・アニメは、分かりやすくて親しみやすいため、文字情報を超える力がある。こうして地域の個性と訴求力のあるコンテンツをフックとして起業しました。

テレビ局の一事業部ではなく、子会社として独立したのはなぜですか?

テレビ局のビジネスメリットは、信頼性の高さが挙げられますが、一方で放送の規制(広告業界の規制、また時間帯などの縛り)があります。子会社として独立した方が諸々の規制に縛られることなく、スピーディーに動けると考えたからです。 ただ、テレビ局の信頼性は大切にしていきたいので、UXグループの会社であることはしっかりと打ち出しています。

社名に込めた思いや願いはありますか?

シーリンクのシーは、アルファベットの「C」です。Comic(コミック)、Character(キャラクター)はもちろん、Communication(コミュニケーション)、Consultation(コンサルテーション)、Creation(クリエーション)、Concept(コンセプト)など、当社の事業展開で必要となる、また大切にしていきたいワードの頭文字「C」をリンクさせていく、という思いがあります。あらゆる「C」をCustomer(カスタマー)=お客様へとつなぎ、結び、届けていきたいと思っています。

マンガ・アニメが持つ魅力についてどのように感じられますか?

冒頭にお伝えした「分かりやすさ、親しみやすさ」が最大の魅力ですね。年代や性別を問わず幅広く受け入れてもらえます。また、外国人にも人気があるのでインバウンド効果が高い!アイデア次第でさまざまな相乗効果が期待できると考えます。

 

新潟初のVtuber「がたひめ」の活躍に期待大!

事業内容について教えてください。

「コミック」「Vtuber」「アプリ」「WEB」の4つの柱があります。現在は、マンガ・イラストを使って情報発信する、また企業や学校、お店のイメージに合ったクリエイターをマッチングするといった、「コミック」の案件が8割を占めています。「Vtuber」は、新潟生まれのCGキャラクター「がたひめ」を利用した商品PRを企画しています。「アプリ」は、飲食店と消費者をつなぐフードロス対策アプリ「シェアトク」サービス。そして「WEB」は、HP制作から管理、運営。またコミックをWEBで活用する提案も行っています。

現在の制作実績をご紹介いただけますか?

「新潟観光コンベンション協会」のポスターを制作しました。こちらはシーズンごとの続編が決定していますし、台湾へのPRを狙ったノベルティーも好評でした。日本酒や芸妓(着物)など、新潟の文化をマンガと写真で組み合わせて表現したのがポイントです。ほかにも海上保安庁のポスター、民間企業の年賀状、神社の紹介、UXの新卒向け採用動画など、さまざまな取り組みを行っています。

▲関連会社のUXの「2022新卒採用動画」でも実写に漫画をコラボさせた動画制作もしています。

越後国(新潟)のお姫様Vtuber「がたひめ」の公式HPはこちら→http://www.gatahime.com/

「がたひめ」とは何ですか?

新潟のご当地お姫様Vtuber・「がたひめ」を使った一連の活動が「がたひめプロジェクト」です。現在、公式WEBサイトで情報発信やグッズ販売などを行っています。また毎週水曜と土曜の20時~Youtubeにてライブ配信( https://www.youtube.com/channel/UC94yTNeou3yQK-0kNM1zY5g )を行っているのでぜひご視聴ください。今後はCM、メディアでの番組担当、イベントやキャラクターとのコラボレーションなどを通してファンを増やし、各種PRにつなげていきたいと思います。

会社設立後、さまざまな事業の中で見えたてきたことは?

どんな分野、業界においても評判が良く、次につながるうれしい展開が待っていました。例えば、社史や会社案内など、従来文字情報を主としていたものにキャラクターの個性をプラスすると一目瞭然!売上や集客の増加にダイレクトに結びつくという、確かな感触を得ています。社内のスタッフはもちろん、外部のクリエイターも「クリエイティブの楽しさ」を満喫しているようです。彼らに言わせると「キャラクター=魂」だそう。携わる多くの人の想いをのせたマンガやアニメーションは、世界を動かす力を備えているのだと改めて感じました。

 

人と人のつながりを大切に、パワフルなコミュニケーションを

新潟のマンガ文化をどのように捉えていますか?

地域の持つ魅力であり、誇りですね。この文化をもっと広く知っていただくことが私たちの役目であると思っています。これまで、マンガ・アニメは好きなのにそれだけでは生計を立てられない若者がいたのも事実です。そんなクリエイターと、売上・集客に悩む企業とをマッチングする仲介役として地域貢献できればという思いもあります。親会社のUXが「地域に愛される」を理念として掲げているように、私たちも地元に愛される企業になるべく、マンガ・アニメの魅力とともに新潟愛をしっかりと伝えていきたいです。

将来的なビジョンをお聞かせください

マンガ・アニメによって日本の素晴らしさが世界中で評価されるようになればと思います。そのためには、若い人が持つ夢や希望をスムーズに実現させてあげられる土壌をつくることが大切です。昔はマンガ=子どもが読むもので、親としては「勉強の妨げになる」という認識もありましたが、今は違います。日本を語る重要なジャンルのひとつですし、今後の可能性は無限大です。私たちも新潟から率先してクオリティの高い作品づくりを行いながら、多くの人とのつながりを通して、今までマンガに縁のなかった分野の方にも魅力を伝え、地域や企業活動の活性化に取り組んでまいります。

テレビの未来について思うことは?

各メディアの中で一番の強さがあったテレビですが、インターネットに付随するサービスが広がっている現代においては一人勝ちができないため、より工夫が必要です。ローカル局としては地域に密着した情報伝達は当然ですが、より有益な情報、住民の皆さまのお役立ちのため、情報の窓口となることも求められると思います。

放送局として考えるなら、はたして「公共の電波にのせる意味があるか」まで考える必要があります。ひかり回線で視聴することと、局の編成により電波から視聴することは、お客様にとって大きな違いはないはず。インターネットとどのように向き合い、共存していくかも含めて今後役割が大きく変わっていくのは間違いないですね。

吉川さんが仕事をするうえで大切にしていることはありますか?

個人的なお話になりますが、私は高校まで新潟で育ち、大学から東京へ。テレビ朝日に就職後、UXの東京支社で働き、このたび40年ぶりに新潟に戻ってきました。久しぶりの新潟生活で景色の美しさ、過ごしやすさを実感しています。新潟のマンガ文化もこの風土があればこそだと改めて感じます。

また地域で仕事をする中では、「人とのつながり」がより重要になってきます。特にマンガ・アニメの分野では、若い方のほうが斬新で良いアイデアを挙げてくれることが多々あるため、むやみにNGを出さないように気をつけています。ものづくりの中では当然予算やスケジュール、表現方法などの制限はありますが、クリアすべき問題を解決すれば実現に向かっていくのですから。誰かが発した可能性の芽を大きく伸ばす方向にサポートしていきたいです。

 

得意なことにまっすぐ取り組んで、可能性を広げよう

今後、コンテンツをつくる人に求められることは何でしょうか?

ありきたりな回答になるかもしれませんが、「マンガが描ける」人は多いので、その中で自分の個性、強みが何かを知っている人が選ばれていくのだと思います。同じテーマ、シナリオの中でも絵のタッチが違うだけで大きく成果が変わります。「この人の絵がいい」と選ばれる作者になるためには、シンプルですが、今よりもっと得意分野、絵、ストーリー、構成、セリフなどを伸ばすと良いと思います。純粋に「いいものを作りたい」と、コンテンツに日々まっすぐに取り組む姿勢が可能性を広げていく第一歩だと思います。

マンガ・アニメ分野に興味のある方へメッセージをお願いします

先ほどお伝えしたように、今はマンガ・アニメの業界だけで食べていける環境が整ってきました。現代は、マンガが好き=漫画家という道だけではないです。スマホ、広告、商品パッケージ…さまざまなものに可能性が広がっています。作品を見せる方法もいろいろです。ワクワクするようなコミュニケーションを通して、アニメ・マンガのパワーを多方面から伝えていきましょう!

 

取材日:2021年1月25日 ライター:本望 典子

シーリンク株式会社

  • 代表者名:吉川 徹
  • 設立年月:2020年10月
  • 事業内容:漫画、アニメに関連した人材紹介・アプリ制作・WEB活用、Vtuberを利用した商品PR等
  • 所在地:〒951-8521新潟県新潟市中央区下大川前通六ノ町2230-19
  • URL:http://clink.co.jp/
  • お問い合わせ先:TEL:025-223-1580

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