世界最高レベルの美しさを追求した360度VRコンテンツで業界をリード

広島
株式会社アドバンスドバーチャルテクノロジーズ 代表取締役社長
Yoshifumi Harada
原田 芳文

業界最高画質の360度パノラマ写真と映像制作を行う「株式会社アドバンスドバーチャルテクノロジーズ」。テレビや映画の高画質デジタル画像よりも美しく、臨場感あふれるVRコンテンツが高く評価され、日本全国からオファーが絶えることのない会社です。代表取締役の原田芳文(はらだ よしふみ)さんは、会社設立時はフリーランスの技術者として会社の仕事に携わり、現在は先代社長から会社を引継いで事業を拡大し続けています。

原田さんに、仕事に対する思いや取り組み、VR制作ビジネスの今後の展望についてお話を伺いました。

世界トップクラスの高画質VRを誇るリーディングカンパニー

現在の事業内容を教えてください。

VRコンテンツの制作がメイン事業になります。立ち位置から360度見渡した映像、つまり全天球パノラマ(360VR)を高画質で撮影できるのが当社の強みで、そのパフォーマンスを最大限に発揮するために専用のコンテンツフレームワークを独自で設計、開発しています。また、360VRを映像に変換して、バーチャルツアーの制作も行っています。

映像の美しさに定評があると伺いました。他社との違いはどこにありますか?

一番の違いはフォトグラファーが撮影とデジタル現像をしていることです。VRを扱う会社は、プログラマーやエンジニアといった機械屋さんが制作している会社がほとんどですが、写真や芸術分野の知見がプラスされたVRの制作ができます。

撮影は一眼レフのほか、専用機材もそろえているので、緻密で繊細な映像を再現することができます。もともと私がプログラム設計もしているので、独自でプラットフォームを設計・開発し、高画質な映像と操作性に優れた360VRコンテンツを提供できるのが当社の強みです。

設立当初からVRを専門にされていたのですか?

そうです。創業者がVRを使った事業をしたいという思いがありましたから。彼は経営者で、技術は持ち合わせていなかったので、技術的なことは私がサポートする形で創業しました。

ご自身が創業された会社ではないのですね。

私は学生時代に起業をし、フリーランスとして働いていましたので。先代社長が事業を起こす際に、ビジネスパートナーとして立ち上げから関わりました。先代が亡くなられて、他に事業を引き継ぐ人もおらず、2019年の5月に私が代表に就きました。

代表を引継がれて1年以上経ちますが、現在、社員は何人いらっしゃいますか?

私を含めて3人で、これは製作をするチームです。主にシネマクオリティ 360°3D VR 映像、360°2D VR バーチャルツアーおよび関連する VR コンテンツ、VR ツアープロフェッショナルプラットフォームなどを制作していますが、その問い合わせやディレクションは連携しているパートナー企業にお願いしています。

特に大手の企業とのやりとりほど、パートナー企業が契約の主体になってくれるので、自分たちは制作に集中できますし、スムーズに仕事を進めることができています。

フリーランスで培った経験や技術をもって会社に貢献

会社の創業に関わるまでの経歴を教えてください。

専門学校を出ているのですが、当時はマルチメディアという言葉が流行っていて。さまざまなメディアがミックスする時代が来ると、学科も音楽、映像、グラフィック、プログラミング、プレゼンテーションと幅広く勉強しました。

私は就職をして専門分野の仕事をすることに魅力を感じなかったので、在学中に起業をしました。プログラミングが好きだったので、自分で作ったプログラムを持って営業をしていましたよ。

学校を卒業して、そのままフリーランスで働かれていたのですね。

学生時代はプログラムとデザインが好きで、趣味でカメラもやっていました。起業した頃は「こんなことできる?」という問い合わせに対応して仕事をしていました。プログラム、イラスト、写真など、いろいろ任せてもらいました。ホームページの制作が増えたタイミングでもあったので、とにかくたくさん作りましたよ。

私の場合は、ビジネスとして経営者になることより、楽しいことをやりたいという気持ちが強いので。やってみたいと思うことを好きにやれるし、それでお客さまも喜んでくれるので、フリーランスを続けることができました。

どのように仕事を広げていかれたのですか?

これは今も変わらないのですが、制作したものはホームページでポートフォリオ的に載せる以外、営業や広告を出すことはしてきませんでした。制作物を見た人から「これを作ったところを紹介してほしい」という感じで、仕事は広がっていきました。

その流れで今の会社に関わるようになられたのですね。

先代とはご縁があって知り合ったのですが、「仕事を手伝ってほしい」と声を掛けていただいて。ちょうど手が空いている時期だったので「いいですよ」と軽く手伝うつもりでした。先代は経営者として金銭的なやりくりや営業を、私は制作チームとして最善のプレゼンをして満足してもらえるものを作る、ビジネスパートナーとしてWINWINの関係を築いていました。

自分が作った物がお客さまの課題を解決し、それで驚いてくれたり、喜んでくれたりする。その反応を見られるだけでも仕事の面白さを感じますし、そこが今でも続けている理由になっていると思います。

目指すは、バーチャルツアーのプラットフォーマーを

VRを取り巻く環境は、コロナ禍を経たことで変わりましたか?

とても伸びていますね。コロナで新しい需要がグッと増えました。

例えば大学のオープンキャンパスが分かりやすいのですが、今まで来校してもらって初めて知り得たキャンパスの様子が、来なくてもある程度分かるように作りたいというニーズが増えました。

それを見た人が、「うちの事業にも活用したい」と問い合わせてくることも。しばらくこの状況は続くでしょうね。今はホームページはあるのが当たり前ですが、そうじゃない時期もあったように、VRも当たり前の存在になっていくと思っています。

今後、企業としてどのような展望を考えらえていますか?

お客さまがVRの可能性に目を向け始めているので、それをかなえるのにピッタリと合うようなシステムやサービス、コンテンツを当社が時間差なく提供できるようにしたいですね。「こういうのが欲しかった」というものをタイムリーに提供すれば、お客さまにも喜んでもらえると思っています。

具体的に取り組んでいることはありますか?

バーチャルツアーのプラットフォームの制作に力を入れています。今は見るだけですが、触れたら映像が出るとか、チャット画面でオペレーターと会話をしながらその空間を一緒に見るとか、そういう付加的機能をかなえるプラットフォームは、まだ確立していません。

当社はプログラムも専門ですから、プラットフォームも作っています。一度リリースしたら、「こういう面白い機能があるなら」と相談がくるじゃないですか。今までもそれを繰り返して、自分たちの存在が知られてきたように、多くの人に利用してもらい、この分野のプラットフォーマーになりたいと思います。

御社の仕事に興味を持つクリエーターも多いと思います。最後にクリエーターにたいするアドバイスをお願いします。

まずは自分のレベルを知ることが大切です。地方で仕事をしていると仕事内容も価格感も「地方レベル」になってしまうこともあります。もっと広く世界を見て、自分のクオリティがどこまで通用するか知ることです。そして謙虚に仕事をする。安売りをする必要もないけれど、その価格と自分の仕事が合っているのかは常に考えてほしいと思います。

もし一緒に働くとしたら、前向きで協調性が高い人がいいですね。協調性があってポジティブな発言をする人がいると、会社は伸びます。ネガティブなことを言う人が1人でもいると、会社全体が落ちます。たとえ技術が足りてなくても、協調性さえあれば成功すると私は思います。どれだけリモートが進んでも、仕事をすることはコミュニケーションです。そこが円滑にできる人、相手のことを思って動ける人など協調性があることこそ、フリーランスは大切にしてほしい能力ですね。

あとは今出来る100%の力で仕事をすること、たとえ失敗しても怖がらず挑戦し続けてください。

取材日:2020年12月10日 ライター:山名 恭代

株式会社アドバンスドバーチャルテクノロジーズ

  • 代表者名:代表取締役社長 原田 芳文
  • 設立年月:2015年5月
  • 資本金:500万円
  • 事業内容:バーチャルリアリティコンテンツの企画制作販売、IT システムの企画制作・コンサルティング、Web、研究開発など
  • 所在地:〒733-0002 広島県広島市西区楠木町3丁目5−17 ボナハイツ川野 1F
  • URL:https://avt.co.jp/
  • お問い合わせ先:(082)962-9860 mail:

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