アジア最大級のインターナショナルアートイベント「デザイン・フェスタ」

Vol.58
デザインフェスタ有限会社 広報担当 河村悠紀子さん
―15年で、計20万人、約70カ国からのアーティストが参加した年2回イベント―

「アート」は特別なもので、敷居の高いもの。そんなくだらない思い込みを、気持ちよく打ち砕いてくれるムーブメント、イベントがある。毎年2回、東京近郊の大会場で開催されつづけ、2010年に16年目となる「デザイン・フェスタ」がそれだ。 毎回8000人を超える「自称アーティスト」の参加者が、思い思いの作品を、思い思いのスタイルで出品。そこに1日1000円の入場料で「遊び」に来る来場者が加わり、会場は文字どおり「フェスタ」な賑わいで盛り上がっている。 同イベントを主催する、デザインフェスタ有限会社の広報担当/河村悠紀子さんにお話をうかがいました。

2010年は5月15日(土)、16日(日)
東京ビッグサイト西ホールで開催!

デザインフェスタ

【デザイン・フェスタ公式HP】
http://www.designfesta.com
【デザイン・フェスタ・ギャラリー原宿公式HP】
http://www.designfestagallery.com

オリジナルであること。それだけが参加条件
出品者と来場者が、一緒になって1日を楽しむアートイベント

参加に資格なし。ただし条件がひとつ、それはオリジナルであること。そんなイベントを企画するのもすごいことだが、思い思いに自信作を持ち寄る参加者が数千人いるのもすごい。毎回、30カ国前後の海外からの参加がある国際的イベントとはいえ、コア部分はやはり日本人なわけで、日本もなかなか見所のあるじゃないかと関心させられる想いだ。土曜日の最小スペースであれば1万500円で確保できる(参加料は、公式資料で要確認)という気軽さも手伝って、まったくの一般人がユニークな出品をそここで楽しんでいるのだ。 オリジナルであればどんな作品でも出品OK。ただ、人を不快にさせる作品、宗教的な紛争が危惧される作品などには、NGの通告もあるので注意されたし。

<河村さんのお話> イラストもあれば、似顔絵もある。パフォーマンス系の方もかなりいらっしゃり、パントマイムを披露する方や全身にシールを貼って立っているだけという作品もありましたね(笑)。 運営サイドとして、ほほえましく感じられるのは、けっこうしっかりと、毎回「ブーム」らしき動きが見えること。2年前にはスイーツモチーフ、2009年には消しゴムハンコやハンドメイド雑貨を出品する方が多かったです。

こういう形で、アートシーンの底上げができる
運営スタッフは、心からそう信じています

会場は学園祭のようであり、フリーマーケットのようでもあり、その両方を合わせたような、和やかで楽しい熱気に包まれる。審査をし、賞を決め、スターを発掘するイベントも素晴らしいが、とにかく「やってみたい」を応援して楽しんでもらうことがアートシーンの底上げにつながるという着想。1994年以来16年間ずっと、春秋2回の開催を継続してきたこのイベントは、着実に「ならでは」の功績を残しつつある。

<河村さんのお話>
当初からリピーターが多い傾向が見られていて、そこに16年の歴史を刻んで目の前に見えるのは、お子様連れで参加してくださる方が増えたこと。そして、熟年層、高齢者の方々が気軽に参加してくださっていることですね。
専門学校がフェスタ参加者に単位を与えたり、トルコ大使館が自国PRのために参加してくださったり、さまざまなところから興味を示していただけているのも嬉しいことです。

「アートシーンの底上げ」の次のプロセス
それが、デザイン・フェスタ・ギャラリー原宿

デザインフェスタ有限会社が運営する、もうひとつの主要事業がデザイン・フェスタ・ギャラリーだ。東京・原宿――渋谷区神宮前3丁目に、古いアパートを改装した、ギャラリーWESTとギャラリーEASTの建物を確保し、大小21の展示スペースを用意している。 もっとも小さな壁スペースなら、1日525円!という低価格で作品展示が可能なギャラリー。作品が売れても、運営側は手数料を一切徴収しない。もちろん展示作品に審査はなく、オリジナルであればどんな作品でも展示できる。

ギャラリーEAST

ギャラリーEAST

ギャラリーWEST

ギャラリーWEST

 

<河村さんのお話>
アートイベントの敷居を低くしたデザイン・フェスタとまったく同じ考えで、ギャラリーの商習慣をとっぱらって気軽に作品発表できるスペースをめざしたのがデザイン・フェスタ・ギャラリー原宿です。この企画もまた、とくかく出品したいと考える人がいるはずだから、気軽に安価に発表のチャンスを提供することだけに専念しています。もちろん、デザイン・フェスタ出品者も、多くデザイン・フェスタ・ギャラリー原宿にも出品しています。
気軽に発表された作品を、気軽に訪れた来場者が楽しむ。気に入れば、購入したり、作者と交流したり。そういう意味では、海外からの旅行客も数多い原宿という地は理想的な場所と思います。デザイン・フェスタ・ギャラリー原宿の海外からの年間来場者は、約1万6千人におよびます。海外の方は日本人に比べとても気軽にアートを購入します。実際に、作品が売れ、それをきっかけにチャンスをつかむアーティストも何人も生まれているんですよ。

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