WEB・モバイル2015.02.11

外国人観光客や宿泊客に効果大! 新たな広告メディア&コンテンツ [イータブ・プラス(ee-TaB*)]

Vol.114
株式会社ミライト イータブ・プラス推進室 担当部長 プロジェクトサブリーダー 石政健治
太田信彦
2020年に東京オリンピックを控え、外国人観光客増加を見据えたサービスが次々と登場しています。そこで今回は、タブレット端末を活用したホテル宿泊者向け情報提供サービス「イータブ・プラス」に注目!サービスを開発・販売している株式会社ミライト イータブ・プラス推進室の石政健治担当部長と太田信彦プロジェクトサブリーダーに、コンテンツやサービス提供の仕組み、ビジネスモデル、そして外国人観光客増加を見据えた今後の展望まで、興味深いお話をお聞きしました!

宿泊者向け「タブレット版館内案内」 インターネットで最新情報を配信!

『ee-TaB*』ベストウエスタンホテル導入例

『ee-TaB*(イータブ・プラス)』ベストウエスタンホテル導入例

「イータブ・プラス」は、どんなサービスですか?

太田さん:簡単に言うと、ホテルのお客様に提供する「タブレット版館内案内」です。ホテルに行くと、館内案内が机の上にありますよね。その情報をタブレットに収め、客室でお客様が自由に情報を取得できるサービスです。 自動販売機や非常口の場所、レストランなどの案内をはじめ、テレビガイドや周辺案内、さらにYouTubeの公式チャンネルなどのエンタメ情報も提供することができます。

提供される情報はどこに格納されているんですか?

太田さん:インターネット上の専用サーバーで管理しています。ホテル内のWiFiにつないで、ネット経由で情報がタブレットに配信される仕組みです。

紙の館内案内に比べてメリットは?

太田さん:部屋数が多い宿泊施設にとって、紙の館内案内を最新情報に保つのは非常に手間がかかることですが、「イータブ・プラス」ならばデータの更新を行うだけですべてのタブレットに配信されますから、コストの削減になります。また、更新作業が煩雑で、つい古くなりがちだった情報も、常に最新版に保つことができます。 お客様にとっても、タブレットを触る楽しみがありますし、気になる周辺情報などはQRコードでスマートフォンに持ち出すこともできるようになっています。

一斉配信できるメッセージ機能で団体客への連絡も簡単 アンケートの回収率も大幅アップ!

ツアー客への一斉メッセージ送信も可能

ツアー客への一斉メッセージ送信も可能

インターネット接続ならではの即時性が活かせますね。

石政さん:例えば、レストラン案内は特別入荷のスペシャルメニューを出したり、混み合いそうな時間を避けてもらうために早めの時間の割引案内を配信するなど、人の流れを制御することもできます。 メッセージ機能もあるので、ツアーや修学旅行など団体客が宿泊している部屋のタブレットに集合時間などの通知を一斉配信することができます。

確かに日替わりメニューを、紙で毎日各客室に配るのは現実的じゃないですし、団体客に個々に連絡を入れるのは大変な手間ですよね! 他に、インターネット接続ならではのメリットは?

太田さん:ホテルには宿泊やサービスの感想を聞くアンケート用紙がありますよね。あのアンケート、書いたことがある人はあまりいないと思いますし、私も字が下手なことにコンプレックスがあって書いたことがないんですが(笑)、「イータブ・プラス」にアンケートを載せると、回答率が紙よりもずっと高いんですよ。これまで月平均数件程度の回答しかなかったのに、「イータブ・プラス」にしたところ100件近くに回答が増えたケースもありました。回答はデータ送信されるので、すぐに回答内容を確認できますし、集計もすぐにできます。

サービス利用料月額980円のビジネスモデル 多くの宿泊客がタブレットを利用!

御社がこのサービスを手掛けることになったキッカケは?

太田さん:ホテルで過ごす宿泊客に必要な情報をタイムリーかつ簡単にお届けするため、タブレット端末でサポートしようという発想のもと、協業先のテックファーム株式会社とサービスを立ち上げました。

ビジネスの仕組みは?

太田さん:200室以上の導入で1室あたり月額980円のサービス利用料をいただいています。この利用料の中には、館内案内をデジタル化する基本的なコンテンツ制作費も含まれています。現時点では更新作業も弊社側で行うことが多いですが、システムは開放しているので、お客様(宿泊施設)が更新してより迅速に更新や配信を行うことができるようになっています。

サービス利用料、ということは、タブレットは買取ではなく、レンタルという位置づけでしょうか?

太田さん:はい、基本は3年契約です。この業界は進化が速いですから、3年経つとハードは陳腐化されてしまうので、更新時にタブレットはリプレイスされます。

現在の導入状況は?

太田さん:まだサービスがスタートしたばかりですが、導入数は順調に拡大しています。導入していただいた宿泊施設では、年齢や性別、国籍に関係なく多くのお客様がタブレットに触れているそうです。

広告系コンテンツの拡充で宿泊施設側にもビジネスメリットを マーケティング活用にもチャンスあり!

今後の拡充の方向性は?

石政さん:周辺情報などのコンテンツで紹介するお店や施設から広告料金をいただき、それを宿泊施設と分配するビジネスモデルを考えています。オプショナルツアー案内、飲食店や観光施設の案内、さらに物販など、広告系コンテンツを増やして、導入していただく宿泊施設にもビジネスメリットを産み出せるようにしたいですね。 特に物販は、リアルなお店のスペースには限界がありますし、在庫を抱えないで済むとなれば、可能性があるのではないかと思っています。

プッシュの情報提供だけでなく、アンケートが取れるところも需要がありそうですね。

石政さん:宿泊施設には、地元のお菓子などのサンプルが置いてありますよね。 お部屋でサンプルを試しつつ、気に入ったら「イータブ・プラス」で購入したり、感想をアンケートで取るなど、様々なマーケティング活用が考えられます。時間を持て余しがちなホテルや旅館の非日常的な空間ならではのレスポンス率が期待できると思っています。

導入することで、外国人観光客対応の負荷を軽減できる 日本らしい「おもてなし」に注力してほしい

ee-Tabを持つ太田さん

株式会社ミライト
次世代モバイルビジネス創造本部
イータブ・プラス推進室
プロジェクトサブリーダー 太田信彦氏

二カ国語対応したコンテンツとなっていますが、外国人観光客の方も見ているのでしょうか?

石政さん:館内案内などがよく見られているようです。現在は英語と日本語の二カ国語対応のコンテンツを作っている宿泊施設がほとんどですが、中国語や韓国語など多言語に広げていくことはいつでも可能です。

2020年に東京オリンピックもありますし、外国人観光客は増える一方ですから、スタッフ業務の負荷を減らせる「イータブ・プラス」はビジネスチャンスが多くありそうですね。

太田さん:多彩なコンテンツを提供することで、宿泊するお客様へのサービスになりますし、宿泊施設側も問い合わせが減り、スタッフの方々のコストを削減できるメリットをアピールしていきたいですね。 また、「イータブ・プラス」は、問い合わせの内容や件数に応じて、館内案内をわかりやすく改善するなど、要望をすぐに反映できるのもメリット。スタッフの方々の負荷を減らし、その分日本らしい「おもてなし」に注力していただけるお役にたてればと思います。

取材日:2015年1月30日 ライター:植松

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