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CREATIVEクリエイティブ好奇心

ELLE SHOPのブランド戦略とは~ECサイトのコンセプトデザイン~

Vol.99
ハースト婦人画報社 コマース本部 副本部長 田能哲さん
「ELLE」といえば、世界でも最大規模の部数を誇るファッション誌。日本版「ELLE JAPON」の公式オンラインショップ「ELLE SHOP」は、売上を順調に拡大しています。その秘密はどこにあるのか…!?サイト運営を担当するハースト婦人画報社コマース本部副本部長の田能哲さんに、コンセプトや今後の方向性など興味深いお話をたくさん伺ってきました!

ELLEのエディターが 情報を発信していくオンラインショップ

「ELLE SHOP」の位置付けを教えてください。

「ELLE」の公式オンライン・セレクトショップです。2009年9月28日にオープンしたので、5年目に入りました。ELLE SHOPは目利きのできるエディターが品揃えを厳選して、ELLEの世界観に共感するファッション好きのお客様に「この商品がオススメです!」と情報発信していくお店です。

他のファッションECサイトとは異なるスタンスですね。

単純な価格と商品点数で勝負するのではなく、提供するブランドと商品の質を重視しています。現在、セールは夏冬の年2回だけ。セレクティブなブランドでは、商品数も各サイズ数点のみなど、点数が少ないものもあり、すぐに売り切れが出てしまうこともあります。ですが、頑張った自分にご褒美をあげたい時や、パーティーなど「ハレの日」の時など、お金をかけてもいいからオシャレがしたい!というユーザーの方の想いには必ず応えるショップでありたいと思っています。

「これから来る」ブランドをいち早くキャッチ 写真の美しさにはこだわりあり!

商品の「数」では勝負しないけど、「質」には自信があるということですか?

ELLEの編集者と経験豊かなバイヤーが中心となって商品をセレクトしています。上長であっても、プロフェッショナルであるバイヤーに品揃えで口を出すことはしません。バイヤーはニューヨークやミラノなど世界のコレクションに足を運び、「これから来る」ブランドや商品をいち早く紹介していきます。新しいブランドを入れたら、同数のブランドを減らすなど、厳選した品揃えになっています。

それだけこだわりを持って仕入れた商品だけあって、「店頭」、つまり写真の美しさは素晴らしいですね。

ありがとうございます。写真の美しさは、私達「ELLE SHOP」が発信する情報の中でも、最重要視しているポイントのひとつです。商品毎全カラーの写真を撮って見せていますし、ここは「非効率に」手間を惜しまず丁寧に撮影しています。

「ELLEのエディターお墨付きファッション」を コンセプトにした品揃え

雑誌「ELLE JAPON」に掲載されている商品だけを「ELLE SHOP」で販売している訳でもないようですが、「ELLE」ブランドとして、どんな商品を販売していくか、コンセプトはあるのですか?

確かに、ELLE JAPONに載っているファッションをそのまま売っているわけではありません。ですが、ELLE JAPONが提案するモードのファッションをセレクトして販売しています。「ELLE JAPONのエディターお墨付きのファッション」が品揃えのコンセプトなんです。「ELLE SHOPは、エディターがプロデュースするオンライン・セレクトショップです」と明確に宣言しています。ELLE JAPONのファッションが好きな人に満足いただける品揃えを目指しています。

コンセプトが明確な分、ターゲットも明確ですね。

ELLE SHOPに来てくださるお客様は「このブランドが欲しい」「ELLEらしいモードな服が欲しい」と目的が明確です。目的が明確だからこそ、顧客単価はファッションECとしては相当高く、価値があると認めていただいています。だからこそ、安易なセールで経営資源を消費はしませんし、不要なインセンティブで購入を促すこともしません。

力のあるコンテンツ企画者 「ELLEのエディター」の強みを活かす!

確かにELLE SHOPには、海外の有名ブランドに入店した時と同じような雰囲気がありますね。必要以上に媚びないというか…。

「ELLEが持つ世界観」を訴求した結果ですね。ELLE SHOPでの買い物は決して安くありませんので、「ぜひお買い上げください!」と嘆願するのではなく、「ELLEのエディター、バイヤーが最先端のモードを見聞きして、ベストと思う商品を仕入れました」と、コンテンツ力をフル活用してご紹介、発信し続けることが重要になってきます。

サイトの構造も、細かく導線を分析してわかりやすさ追求するショップもありますし、ユーザーの要望に細かく対応し、コミュニケーションを最大化していくショップもあり、ともにすばらしい取り組みと思いますが、ELLE SHOPは少々クセがあって、多少のユーザビリティを犠牲にしたとしても、写真を大きくきれいに見せたり、デザインにエッジを効かせたほうが、お客様のご意向に適うと考えています。

しかし、エッジを効かせたサイト作りは、センスもスキルも問われる非常に難しい課題だと思いますが。

もちろん一朝一夕にはできません。「ELLEのエディター」という資産があるからこそ、できることです。力のあるコンテンツ企画者を抱えている強みですね。お客様もご存じで、エディターが前面に出るコンテンツ「エディターズ・クローゼット」等は一番の人気コンテンツです。コンテンツ企画能力のあるエディターが常に新しく価値ある情報を発信・提案していくことで、集客能力が上がり、ELLE SHOPのビジネスも拡大していきます。

機能改善もコンテンツづくりに重要な要素のひとつ 来るたびに発見があるサイトに

デザインやコンテンツはエッジが効いていますが、機能面はどのような工夫をされているのでしょうか?

機能面についても、日常的に細かく改善を繰り返しています。より使いやすく、見やすく、ファッションやお買い物が楽しめる工夫をしています。機能を改善することもコンテンツづくりに重要ですからね。来たときに「あっ、変わった」と機能面で思っていただくことも大切です。

具体的には?

ユーザーの皆様に好評だったのは、お気に入りに商品を登録すると、在庫が「残り1点」になったときにお知らせメールが届く機能です。また、ページ遷移せずに写真を大きくできるクイックビュー機能も好評です。おかげでPVは減りましたが、コンバージョンは上がりました。ELLE SHOPは広告モデルではないので、PVの数は追求する必要はありませんから、お客様のユーザビリティを優先します。

客層が重なるブランドとコラボ 新しい試みのリアルイベント

ファッションECサイトとして独自の地位を築いているELLE SHOPですが、今後の方向性は?

顧客単価は他社と比べて高いので、よく言われるクロスセルやアップセルの方向はそれほど重視していません。また、今の価格帯を下げることも考えていません。今後は「多少高くても良いものを買いたい」と考える、顧客層が重なる取引先とコラボレーションして、新規顧客を増やしていきたいですね。11月 30日に、コーヒーの「ネスプレッソ」、セレクトショップブランドの「ガリャルダガランテ」、そしてELLE SHOPのコラボレーションでリアルイベントを開きます。初の試みですが、3ブランドの顧客に、お互いのブランドをご紹介する流れが作れれば、と考えています。

ELLEブランドでは、「ELLE ONLINE」をはじめとして他にもWebサイトが多くあります。他のELLEブランドサイトとの連携はどのように考えていますか?

EC機能はELLE SHOPに集約されているので、「ELLE DECOR」のインテリアや、「ELLE à table」のテーブルコーディネートの分野は、今のELLE SHOPのユーザーが求めるクオリティのものを少しずつ紹介していきたいと考えています。幸いリピーターの方も多いので、「良いものを」と考えたときに真っ先に思い出してもらえるサイトであり続けたいですね。

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