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COLUMNコラム・ザ・ちゃんこ

11年目の始まり。

番長プロデューサーの世直しコラム Vol.121
番長プロデューサーの世直しコラム 櫻木光

10年あっという間ですね。

先月のコラムで第120話だったので、丁度10年書いたことになります。 今年のこの回から11年目に突入します。よろしくお願いします。 しかし、本当に10年なんて本当にあっと言う間ですね。

近い感覚で言うと、バラクオバマが “Yes, we can.”と言って アメリカの大統領になった日は本当に昨日のことのようですが、 “Yes, we did.”と言って任期満了したのですから8年も経った と言うことですね。

時の過ぎる速さは置いといて、 この10年はものすごい勢いでいろんなことが変わってしまったような気がします。 10年前と今では景色が違う。 それがその前の10年や、そのまた前の10年より変化や落差が 大きいと思うのは僕だけでしょうか?

このコラムの連載をはじめたのが2007年の1月24日です。 読み返してみると呑気です。 自分が若い頃にどっぷり浸っていた価値観がまだ通用していたんでしょう。

リーマンショックがあって、テレビがデジタル放送に変わり、 東日本の大震災が起きた。 原子力発電が制御不能になってしまった事がバレてしまいアレルギー反応が起きた。 スマホとインターネットがものすごい勢いで発達し、SNSが爆発的に広がった。 遠隔操作の無人兵器が人を殺すような戦争になってきた。 ハードディスク録画とカメラの値下がりで、 監視カメラやドライブレコーダーが発達。どこにいても見られている。 コンプライアンスの遵守にうるさくなり、タバコを吸う人が激減した。 街で見かける外国人が増えた。そして確実に年寄りが増えた。

書き始めた頃から現在までの間に、多分、人間の価値観が大きく変わるような大きい変化がいくつもあって、 それまでにないくらいびっくりする事がいくつも起きた10年だったように感じていました。

一個一個の違和感に対しては、コラムでもネタにして、思うことを 書いてきましたが、その違和感すら古いものになっていて 「変だなあ、嫌だなあ」と思う事が常識になっているなんてこともあります。 よくなったことも悪くなったこともありますが。

ただ、なんかブレーキの遊びのような余裕はなくなり、踏めば即 急ブレーキのようなギスギスした社会になっているのも事実だし 一つの失敗をなかなか許してもらえなくなった。 そして、上手くいかない人は、イライラし続けているし、 自分のことばかり主張して、どうでもいいような事に文句を言い合うようになった。 心の病の人も増えました。

それがこの10年だったと思います。

資本主義を追求して行けば行くほど勝つ人と負ける人の差が大きくなり、 その格差が見てられないほどひどくなった。 そういうのが嫌になって若者たちの興味は「社会貢献」に向いている。 もう、なんかここ10年で老朽化したやり方にとどめを刺されて 人の気分は大きく変わってきているような気がする。

経済の成長、成長と言うけれど、なぜ成長しなければいけないのか? 高齢化社会を通り越して、今は多死社会らしい。自然にそうなります。 生まれる人より死ぬ人が多い国で成長するのはなんなのか?

戦争法案に賛成、反対と騒いでいるけれども、日本は本当に戦争する能力や金があるのか? 自衛隊の平均年齢は36歳を超えているらしい。 そんな軍隊、戦う体力あるんだろうか?とも思うのだがそんな議論は聞いた事がない。 なんで戦争しなきゃいけないのかもわからないのに。バカか?

人間の脳ミソが人工知能に追い抜かれる日がくるだろうか? 答えのない事、つまり好きとか嫌いとかまでコンピューターが 判断する日がくるだろうか?

女性が活躍する社会、とか綺麗事をいいながら、数年後に また減ってしまう子供のために今時保育園を増やすつもりもないらしいし。

アメリカでトランプが大統領になった。 なんやかんや意味もわからず、顔が嫌いと同じレベルで嫌悪感を示しているが、 僕には、どう見ても日本の政治家の親玉たちよりはマシに見える。 この10年で起きた事に対して実業家は敏感で政治家は鈍感に見えるからだろう。 建前を大切に、選挙で票を集めるのが最終の目的のような人たちに、到底 この変化に対応しろというのは難しいんじゃないかと思う。 リスクとコストという考えに敏感な人がリーダーになった方が 正しいような気がする。という、あくまでも理屈じゃなくて気分がトランプを選んだ。 そんな気がして、あながち間違いじゃないんじゃないかと思うのです。

なんか疲れちゃったなー。変化が早すぎてついていけないよ。

みたいな気分で始まった次のコラムの10年。 何をどう書く事になるのか、わからない。 書き続けられるのかわからないし。いろんな意味で。 そいうわけでよろしくお願いします。

Profile of 櫻木光 (CMプロデューサー)

プロデューサーと言ってもいろんなタイプがいると思いますが、矢面に立つのは当たり前と仕事をしていたら、ついたあだ名が「番長」でした。


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