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COLUMNコラム・ザ・ちゃんこ

ウェビー賞獲得!社会の偏見や問題に取り組む若い世代のサイト DoSomething.org

Dig It! NYC Vol.81
Dig It! NYC 藤井さゆり

先月、6月17日に起った、サウスカロライナ州チャールストンにある黒人が集まる教会で、21歳の白人の男によって9人の男女が射殺されるという事件。私はこのニュースを聞いたとき「なぜこの国では同じような悲劇が何度も繰り返されるのか」という深い失望と強い憤りを感じました。犯行理由は白人至上主義を根底とした黒人への憎悪によるもの。

この事件が浮き彫りにするアメリカ社会の大きな二つの問題、人種差別と銃。昨年、ミズーリ州で起きた、銃を持っていない無防備の18歳の黒人少年が白人の警官に射殺された後、その警官が不起訴になったというマイケル・ブラウン射殺事件は人々に大きな衝撃を与えました。銃のみに関しても、ここ数年にもアメリカ国内で銃乱射事件が多発しているにも関わらず、銃規制の強化に対して反対の声も多くあるのも事実です。

しかもこの事件を起こしたのは21歳の若者。この未来ある若者が、自分の人生を棒にふって殺人を犯すほどの異人種に向けられた憎悪の起因とは何だったのか。銃によって関係のない人々を自分勝手な理由で殺害できるその心理とは。

この事件後に行われた追悼式では、オバマ大統領がアメージンググレースを唄い、亡くなった方々の名前を呼びあげました。

さて、前置きが長くなりましたが、このような若者も存在する一方、人種差別を始め社会で問題となっていることに意識を向けて解決するべく活動をしている若者も多くいます。今回ご紹介するDoSomething.orgでは、ウェブサイト上で問題となっていることを解決するためのキャンペーンを行い、13歳から25歳までの若い世代がそれに参加して、ソーシャルメディアを使い、世界をよくしていくための行動を起こしています。

DoSomething.org 1

サウスキャロライナで起きた銃乱射事件を受けて行われたキャンペーンがこちら。

Mic Check Racism 2

人種間の問題、その問題をなくすために、この事件について自分が思ったこと、世界に伝えたいことを詩に書き、その写真を撮ってハッシュタグ#MicCheckRacismを使ってソーシャルメディアでシェアするというキャンペーン。以下はキャンペーン参加者がソーシャルメディアでシェアした詩のスクリーンショット。

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We Are Able 4

障害を持っていない子供たちに比べて障害のある子供たちはよりいじめられやすいという問題を解決するため、YouTubeスター、ジョーイ・グレーセッファとチームを組んだキャンペーン。障害のある子供たちへのいじめをなくすため「disability(障害があること)」ではなく、まずは自分の「ability(得意とすること)」にフォーカスしようというもの。「自分の得意なことは○○です」と紙に書いて写真を撮り、ハッシュタグ#WeAreAbleを使いソーシャルメディアでシェア。以下はキャンペーン参加者が「自分の得意なことは○○です」とサインを掲げた写真。

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Love It Forward 6

“LGBTQ"ーいわゆる同性愛、両性愛、性同一性障害といった若者の性に関する問題にも取り組んでいます。LGBTQの子供たち10人に6人は、自分がLGBTQであるために学校で不安を感じているという問題。これを解決するために、LGBTQの子供たちとそうではない子供たちとの間の前向きな交流を働きかけようというキャンペーン。参加者は、学校の人気者やリーダーに、このキャンペーンに参加してもらうよう声をかけ、彼らに「Love is Love」サインを持った写真をFacebookでシェアしてもらうことがミッション。このキャンペーンへの参加は「私はLGBTQの権利をサポートする」という意思表示になります。以下は参加者から送られた「Love is Love」サインを掲げた写真。

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ところで、このコラムを書いている最中に、アメリカの連邦最高裁判所が「同性婚は合憲である」との最終判断を下しました。事実上、アメリカで同性婚が認められることに!その日、ホワイトハウスもLGBTQのシンボルカラーであるレインボーに染まりました。オバマ大統領も“Victory for America"と声明を発表。これは世界的にも影響力を持った素晴らしいニュースです。

サウスキャロライナ州で銃射殺事件を起こした犯人まではいかないとしても、まだまだ人種やLGBTQへの偏見を持った人たちはたくさんいます。しかし、特に未来を生きて行く若い世代には偏見がない世の中を創っていってほしいですし、銃に関しても、サウスカロライナ州の事件後、オバマ大統領が銃規制強化の必要性を訴えているので、銃乱射事件などが起きない社会に変わっていってほしいと思います。

DoSomething.orgが行っていることは草の根的な活動かもしれませんが、こういった問題へ若い世代の意識を向かせることは意義のあることでしょう。

ちなみにDoSomething.orgのキャンペーンに参加すると、季節ごとに、奨学金として1万ドルが当たるチャンスがあります。これは参加するモチベーションにもなりそうです。

タイトルにも書きましたが、DoSomething.orgは、今年、ウェブサイト・ユース部門でウェビー賞を獲得。オフィスはニューヨークのマンハッタンにあります。

■Do Something DoSomething.org

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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