WEB・モバイル2014.07.02

NYC発3Dプリンティングマーケットプレイスshapeways

Dig It! NYC Vol.69
Dig It! NYC 藤井さゆり

過去コラムで、EtsyThe Grommetなど、クリエイティブにフォーカスしたマーケットプレイスをご紹介したことがありますが、今回は、3Dプリンティングをメインサービスとしたマーケットプレイス「shapeways」(シェイプウェイズ)をご紹介します。

shapewaysは、ユーザーからアップロードされた3Dデータを基に、3Dプリンティングで製品を生産し、ユーザーはその製品を売るためのショップをshapeways上で販売することができます。

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基本の流れとしては以下の通りです。

ユーザーが自分が作りたい製品の3Dデータをshapewaysにアップロード ↓ そのデータを基にshapewaysが3Dプリンティング ↓ 3Dプリンティングされた製品がユーザーに届く ↓ shapewaysでショップを開設、売買開始

始めるにはまずは3Dデータを作らないといけない訳ですが、shapewaysではウェブサイト上で初心者でも操作ができ、3Dデータを作れるアプリケーションが数多く紹介されています。いくつか用意されているデザインパターンを自分でカスタマイズできたり、初めからすべて作ることも可能です。自分が2Dでデザインしたものを3Dにしてくれるアプリケーションもあります。フリーの3Dモデリングツールも数多く紹介されています。また、サイト上で紹介されているプロのデザイナーにお願いすることもできます。

ウェブサイト上で操作できる3Dプリンティングのためのアプリケーション

ウェブサイト上で操作できる3Dプリンティングのためのアプリケーション

3Dデータが出来上がったらサイト上からアップロードします。その際に、製品の材質や色、個数を決められます。材質はプラスチック、金、銀、銅、セラミックなど、40種類の中から選べます。材質の見本ページには、写真と詳しい説明もあるので、希望のものをじっくり探せます。実際の質感を確認したいならば、サンプルキットを購入することもできます。最後にプリンティングにかかるコストや送料などの支払いを済ませれば、製品が届くという流れです。海外への発送も行っていますので、日本からのオーダーも可能です。

材質見本のページ。材質は、値段、ディテールレベル、強さ、スムーズさからソートできる。

材質見本のページ。材質は、値段、ディテールレベル、強さ、スムーズさからソートできる。

shapeways上で出来上がったものを販売するには、ショップの名前とhttp://www.shapeways.com/shops/の下に付くShop URLを決めればすぐにショップを開くことができます。顧客からのオーダーがあればその都度、プリンティングから発送までshapewaysで対応してくれます。その対価としてshapewaysに、1ヶ月に1回、合計売り上げ金額の3.5%を支払う、という仕組みです。

shapewaysはコストや効率の面で優れている3Dプリンティングに特化し、3Dデータを作るためのデザインリソースの提供やオンラインショップなど、それに付随したサービスをユーザーが利用しやすい形で提供してくれるところが利点。アイディアさえあれば、時間や労力、余分なコストをかけずに、自分の製品を作って販売することも可能です。

実際に売られている製品を見てみると、世界中からユーザーや顧客が集まっていることもあり、日本では見られないようなユニークなもの、センスのよい製品がたくさんあります。2014年の概況報告によると、毎月12万個以上の製品が顧客へ発送されており、世界119カ国の顧客から購入があるようです。

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shapewaysはニューヨークのマンハッタンに本社があり、ニューヨークにはコンピューターやウェブをメインとしたテクノロジー系の企業がたくさんあるのですが、shapewaysがニューヨークにある、ということも国内外から注目されている理由でもあるのでしょう。

ショップを覗くだけでもデザインアイディアの参考になりそうなものがたくさんありますので、ぜひチェックしてみてください。

■shapeways shapeways.com

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
Foxylilly.com
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