
ニューヨークでおなじみの風景と言えば、壁のあちこちが錆びてぼろぼろになっている古い建物や、カラフルなスプレーで壁面に描かれたグラフィティ。これを、そのままライトのデザインにしてしまった人がいます。その人とは、ブルックリンでインテリアデコレーションブランド“RE-SURFACE”を手掛けるドナ・ブラディーさん。ユニークでオシャレなデザインライトを生み出しているデザイナー兼ブランドオーナーです。
BOX-LIGHT custom pendant lampRE-SURFACEのライトコレクションは、ドナさんが実際にニューヨーク、特にブルックリンの街角で撮影したものをライトのシェード用にプリントし製作したもの。全ての商品1つ1つがドナさんの手によるハンドメイドです。スタンド型から、大小のペンダントライト、キャンドルまであります。それ以外に依頼があればカスタムメイドも製作しています。インテリアとしてだけでなく、単体のアート作品しても素晴らしいものです。
HI-LIGHT
A-LIGHT
ライトコレクションの素材として撮影されている風景は、誰かが描いたグラフィティの上に入った褐色の錆であったり、もともとは白い壁が時間の経過によって劣化し黄色やグレーに変色したものに錆の赤茶が混じり合った壁面など。
それらは普通に見るとありふれたニューヨークの風景で、「古い」「汚い」だけで終わりがちになってしまいますが、よく見ると、様々な作用で色が混じり合い、古さや劣化も非常にアーティスティックな雰囲気を持っています。そういった部分に注目しているのは、ドナさんいわく日本の“わびさび”の影響もあるのだとか。
ブランド名である“RE(再び)-SURFACE(表面に出るもしくは浮かび上がる)”の通り、日常となっているニューヨークの風景が、この美しいライトに姿を変えることにより、街の個性が浮かび上がり、あらためてその魅力に気付かされる…そんなデザインライトです。
SOLO: modern
SOLO: star
もう1つご紹介したいのが、外見はマイクそのもの!の、「SOLO」というペンダントライト。電気を付けると光と影がマイクのネット柄になって映し出されるのが素敵。特にDJに人気があり、RE-SURFACEのベストセラーです。マイクをマイクとしか見ないならばこのアイディアは出てきませんが、マイクをライトにしたら面白い!というユニークな発想は、ドナさんの感性ならでは。
現在、あるレコード会社から、このSOLOライトを使ったプロジェクトの依頼があるそうです。その会社のロビーに、天井からこのライトをたくさん吊り下げる――大きいマイクシャンデリアを設置する、といったものなのだとか。どんな感じになるのか完成後の模様をぜひ見てみたいところです。
ドナさんのスタジオ。仕切りを挟んだ隣の場所(写真右)で実際に商品を製作。
作品が生まれる作業テーブル今ではたくさんの雑誌やブログで紹介され、取引先も多く持つドナさん。RE-SURFACEの商品を扱っているお店は、アメリカでも多数あり、その他スペイン、ルクセンブルク、ブラジルにもあります。
こんなに多くのそして多方面の取引先をどうやって獲得しているのですか?とドナさんに聞いたところ、「特にマーケティングに関しては率先してやっていない」というお答え。実際には、RE-SURFACEのウェブサイト、展示会への参加、雑誌や色々なブログで取り上げられたりすることにより、仕事の依頼を受けたり取引先を獲得しているとのことでした。
しかし、ビジネスを初めた当初はたいへん苦労されたと言います。例えば、取引先や商品を置いてくれるお店などのコネクションがない、ローンなどお金に対するビジネス的な知識がない、インテリアデザインの学校に行っていなかったために商品カタログの作り方などがわからなかった、などなど。これらは、ビジネスをしながら自分自身で考えて学んでいったそうです。
RE-SURFACEを始める前はフリーのグラフィックデザイナー・ウェブデザイナーとして働いていたというドナさん。「ニューヨークの風景をライトのデザインに」、「マイク型のライト」といったユニークなアイディアや、日常すでにあるもので人が気付かないような魅力を引き出す、というドナさんの感性はクリエイターとして大事なこと。それならば、意外にもアイディアやビジネスチャンスは身近なところにたくさんありそうです。
例えば今作業しているデスクの上、打ち合わせで入ったレストラン、など。また、今はインターネットがある時代、ドナさんのようにマーケティングを必死にやらなくても、誰でもビジネスチャンスをつかみやすい、ビジネスを始めやすい環境があると言えます。
Contract Lighting and Custom LampshadesSTIR COCKTAIL LOUNGE Santa Rosa,CA.
Architect: Susan D Harris Photograph: Frankie Norstad
今後やっていきたいと思っていることは、コミッションワーク。これは会社やお店など誰かから依頼を受けて仕事をする、いわゆるカスタムメイドを作るというもの。一番上の写真のボックスライト(BOX-LIGHT custom pendant lamp)、写真のサンタローザにあるラウンジ用のライトはカスタムメイドの商品であり、レコード会社からのSOLOライトのプロジェクトはまさしくコミッションワーク。ドナさんには、他者から依頼を受けて一から新しい商品を作りたい、この世に1つしかないアイディアを実現したい、という強い希望があるようです。
また、「日本の展示会にも参加ができたら…たしか場所はビッグサイトだったと思うけど」と日本への展開にも意欲的。場所もすでにチェック済みとは。
ニューヨーク・ブルックリン発のユニークで美しいデザインライト、日本で見られるのももうすぐかもしれません。興味のある方はぜひ彼女のウェブサイトをチェックしてみてください!
■RE-SURFACEのウェブサイト
http://www.re-surface.net/
■こちらから他の画像が見られます(スライドショーが立ち上がります)
http://www.flickr.com/photos/32776021@N07/sets/72157613145806590/show/
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