映像2019.08.07

Who run the world? Girls!

Vol.3
FIND IT. LOVE IT.
Sayuri Fujii
藤井さゆり

ビヨンセがヘッドライナーとして出演した、コーチェラ・フェスティバル2018でのコンサートとそのメイキング映像が収録されたNetflixオリジナル作品「HOMECOMING」を見ました。

 

Homecoming: A Film By Beyoncé | Official Trailer | Netflix

Netflix – Youtube

 

素晴らしかった!!!!です。

 

コーチェラのヘッドライナーとしてふさわしい、かなり大掛かりなものとなっていて、それ自体も素晴らしいのですが、私が心を動かされたのは、コンサートのテーマが「ブラック・カルチャーと女性への賛美」であったこと。

 

全員アフリカ系アメリカ人のみで構成された、総勢100名以上のダンサーとマーチング・バンドとの圧巻のパフォーマンスや、Malcom XやNina Simoneを引用するなど随所にブラック・カルチャーの歴史が垣間見れ、

 

 
 
 
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ビヨンセの代表曲の一つである「Run the World (Girls)」で「Who run the world? Girls!(世界を動かしているのは誰?女の子たち!)」と歌う姿は、不動の人気を誇る実力派シンガーという側面以外に、男性中心である今の世界の流れを変えていく女性アーティスト、という一面も感じることができました。

 

 
 
 
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そういえば最近、ELLEのインタビューで、マイリー・サイラスが自分のセクシュアリティやパートナーシップについて語っていたのですが、

 

 
 
 
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パンセクシュアル(全性愛者)であるマイリーは、現在、俳優のリアム・ヘムズワースと結婚しており、その関係について以下のように話しています。

 

「私達の関係はユニーク、複雑でモダンで新しいもの。私が家にいて、エプロンをして夕食を作っていると思わないでしょう?」

 

「今は異性のパートナーと結婚関係にあるけれども、性的には女性にまだ魅力を感じている。」

 

「私は最も自分を支えてくれる人をパートナーとして選んだ。私はステレオタイプな妻の役割に全く合わない。」

 

加えて、気候変動といった環境破壊が進んでいるこの地球を、自分の子供に託したくないという理由で自分の子供を作ることを考えていない、とも語っていました。

 

アメリカの人気ドラマ「シークレットアイドル ハンナ・モンタナ」を演じ子役スターだったマイリー。かつてのアイドルスターの姿はなく、自分の意思を持ち、自分のセクシュアリティを自然なものと考え、性別の役割にとらわれない自由な形のパートナーシップを手に入れた彼女は、以前より活躍の場を広げています。

 

 
 
 
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@ysl @anthonyvaccarello

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今年6月に公開された、Netflixオリジナルドラマシリーズ「Black Mirror」でマイリーが主演している「Rachel, Jack and Ashley Too」では、ハンナ・モンタナを演じた彼女自身のことをストーリーにしたような展開となっているのですが、振り切れたマイリーの演技がよかったです。

 

Black Mirror: Rachel, Jack and Ashley Too | Official Trailer | Netflix

Netflix – Youtube

 

このマイリーのインタビューを読んでもう一人思い出したのが、今年の女子ワールドカップで最多得点王となり、アメリカを優勝に導いたミーガン・ラピーノ選手。

 

 
 
 
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Tryna act tough but I’m all☺️ inside!! Thank you @sportsillustrated for letting it be SUNGLASS SZN?

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CNN @CNN – Twitter

 

ラピーノ選手は同性愛者であり、女性スポーツ選手や同性愛者の権利や支援を訴えて活動をしているアクティビストでもあります。

 

 
 
 
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She’s always the best part❤️ @sbird10

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優勝パレードの後の、ニューヨークで行われたスピーチは本当に素晴らしかったですよね!

 

「最高にワル」なチームに賃金平等を要求 米女子サッカー代表

BBC News Japan – Youtube

 

スピーチでは「チームには、紫の髪の毛、ピンクの髪の毛の子がいたり、タトゥーをしていたり、ドレッドロックをしている子、白人も黒人も、その間の子もいて、ゲイの子もストレートの子もいる…これ以上に誇らしことはない。」と語っており、これこそがアメリカの多様性を認める、国としての真の姿だと思います。

 

もし、ラピーノ選手が自分のセクシュアリティや自分のやりたいことを認めずに「女性はこうあるべき」という信念で生きていたら、彼女の人生はどうだったでしょう。ワールドカップでチームを優勝に導くことも、最優秀選手になることもなかったかもしれません。サッカーもやっていなかったかもしれません。

 

自分自身を貫いている彼女の姿は、誇らしく、どこまでも軽やかです。

 

古くからある考え方で「女性は結婚して子供を生み、家事と子育てをするべき」という考え方は、時代遅れになってきていると強く感じています。

 

女性はそういった側面でしか生きられないものではないし、それが生き方の正解でもないし模範でもありません。女性は女性らしく、男性は男性らしく、という狭い枠の中に自分をはめることなく、誰しもが「自分自身を生きるべき」だと私は思います。

 

今回は「女性はこうあるべき」という固定観念に縛られることなく、自分自身を生きている女性たちについて書いてみました。

 

現在の女性たちの状況や立場、男性を含め、社会の考え方が今すぐに変わるわけではありませんが、女性は(男性もですが)もっと自由に生きていいしそうするべきだ、と私は常日頃から思っています。理想論かもしれないですが、未来はもっと自分自身を生きる女性が増えるといいなと思いますし、自分もそうでありたいです。

 

ところで、冒頭でご紹介したビヨンセの「HOMECOMING」ですが、彼女こそ、現代のエンターテイメント界の真のクイーンだと思います。ファンじゃなくても彼女のパフォーマンスにかける情熱、ショー全体のクオリティの高さ、クリエイティビティやメッセージ性に心が動くものがあると思いますので、見られていない方はぜひ!

 

マイリー・サイラスが出演したNetflixオリジナルドラマシリーズ「Black Mirror」も、ネットやSNSなど時世の要素を取り入れた、現代版トワイライトゾーンというべき秀作が揃っています。こちらもオススメです!

 

(参考、引用)

ELLE – MILEY CYRUS HAS FINALLY FOUND HERSELF

ELLE – Miley Cyrus Says Climate Change Has Affected Her Stance on Having Kids

プロフィール
FIND IT. LOVE IT.
藤井さゆり
東京生まれ、2008年ニューヨークに移住。 公益法人に勤務の傍ら、仲間内で企画したクラブイベントのフライヤーデザインをしたことから、デザインの面白さに目覚め転職。 転職後は、都内商業施設のウェブサイトの販促用ページ企画と取材、ライティングを経験。 ニューヨーク移住後は、ウェブマーケティングを企業にて経験、ウェブデザインをフリーランスで行う。 現在は、日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」のオーナー兼デザイナーを務める。

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