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中2のバカのままでいい

とりとめないわ 第29話
とりとめないわ 門田陽

写真 ①

「バカお前、マスクしたまま撮ったのか。何やってんだよ、もう1回撮らなきゃ、バカが」。門前仲町駅の地下通路の証明写真ボックスのところで、お父さんが中学生の息子に怒っていました(※写真①)。この中学生の男子、ほんとに天然のおバカさんなのか、反抗期の確信犯なのか、どちらにしてもバカなのですが、ちょっといたずらな目をしていたので僕は後者だと感じました。

いやー、いつの時代も中学男子はバカなのです。あれは僕が中3だったので1977年だと思います。中間考査や期末考査とは別に地元の業者(旺文社とか進研とか全国規模ではない)が取りまとめる学区内の模試がありました。今はどうなのか知りませんが当時は試験の問題用紙は家に持ち帰れました。で、その試験の問題用紙が1週間早く同じ試験を行った隣の中学の悪男子から僕たちのクラスの悪男子へ流れてきたのです。それで僕たちは何をやったのか。

模試が行われてひと月も経たないうちに結果が帰ってきて、いきなり職員会議が開かれ僕たちのクラスの担任は上からきつい叱責を受け、その怒りを思い切り僕たちにぶちまけました。「お前たちのバカはいつまで直らんのか、このバカチンが!!」。その口調はほんとにまるで武田鉄矢でした。ふだん大した成績でない僕たちがこぞって成績上位者で名前が掲載されています。さらに問題なのはその載り方で、僕たち男子はみな志望校を筑紫女子学園(学区内の偏差値の高い憧れの女子高)にしたのです。中学男子はバカなのです。

この事件(?)は意外と後を引き(本来の筑紫女子の志望者とその親からのクレームが 多々あったらしく)学校は僕たちバカ男子から事情聴取を行った結果、からくりはあっけなくバレました。僕たちが手に入れたのは問題用紙だけで解答はありませんでした。そこでクラスのかしこ男子に半強制的に問題を解いてもらいその答えを僕たちは覚えたのです。そのかしこ男子が罪の重さ(?)に耐え切れずに担任に自白したのです。

当時もですが、実は今もそんなに悪いことをしたのか疑問のままです(不謹慎かな)。担任から「何でそんなバカなことをするんだ?」と言われ「面白いから」と答え「面白いわけないだろ」とビンタされ、それでも面白かったのですが、今もどこかで同じ気持ちが残っています。別に問題用紙を盗んだわけではなく、たまたま知り得た情報を元に(苦笑)、5教科の解答を必死で覚え(涙ぐましい)、ちょっとしたユーモア心(悪ふざけかな)を発揮したら大人が怒ったのです。あ~、やっぱりダメだったのかな。今だとすぐにSNSとかで拡散してきびしく非難されたりしたのかもしれません。ごめんなさいで許された時代と言ってしまえばそれまでだけど、中学男子のやることなんて昭和も平成も変わらないので 冒頭の男子もきっとわざとなはずです。

フシギなものであの時期のことだけは妙に濃く覚えています。同じクラスで部活動(バレーボール)も一緒だったO君ともバカなことでケンカしました。アグネスはラム派かチャン派か。「ラムに決まっている」というO君にチャンがいかに清楚で可愛くかしこいかを力説した僕。1週間絶交しました。このことだけはちょっと反省です。今の僕はラム派に寝返っています。あのときはゴメン、大隈くん!

ところで、やはり同時期に男女3対3で映画を観終えて、男だけ3人になったところで、 「女の子はやっぱり顔だよね」というA君に「でも性格が悪いのはイヤだな」とまじめに答えた僕、の二人に向かって「バカだなお前たち。女はカラダたい」とひとり次元が違っていたK君は今どうしているのかなぁ、という話はまたの機会に。

Profile of 門田 陽(かどた あきら)

門田陽

電通第5CRプランニング局
クリエーティヴ・ディレクター/コピーライター
1963年福岡市生まれ。
福岡大学人文学部卒業後、(株)西鉄エージェンシー、(株)仲畑広告制作所、(株)電通九州を経て現在に至る。
TCC新人賞、TCC審査委委員長賞、FCC最高賞、ACC金賞、広告電通賞他多数受賞。2015年より福岡大学広報戦略アドバイザーも務める。
趣味は、落語鑑賞と相撲観戦。チャームポイントは、くっきりとしたほうれい線。

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