WEB・モバイル2011.01.12

年越しで見つけたNYのクリエイティブもの

Dig It! NYC Vol.27
Dig It! NYC 藤井さゆり

あけましておめでとうございます。みなさんはどのような年越しをされましたか。

NYの年越しと言えばこちら!

カウントダウンに合わせて「クリスタルの巨大なボールが降りてくる」というNYの恒例イベント。有名アーティストのライブなどもあり、毎年このイベントのため多くの人がタイムズスクエアに集まります。 私は遅ればせばがら、今回初めて見たのですが、お祭り気分なニューヨーカーにまじり、タイムズスクエア一帯に舞った紙吹雪と派手なネオンサイン、広告塔の上にはクリスタルボールが様々な色とパターンを変えてNYの夜を彩り、いつもより賑やかな年越しを経験することができました。

ところで、NYのカウントダウンになくてはならないこのクリスタルボール。このボールは「New Year’s Eve(大晦日)ボール」と呼ばれており、歴史は古く1907年の開始以来、デザインや質を変えて見る人の目を楽しませてくれます。

現在のクリスタルボールは、直径3.6メートル、重さ約5,300キロ、アイルランドのウォーターフォード社製のトライアングル形クリスタル2,688枚で作られており、クリスタルを彩るライトは32,256個のLEDを使用、1,600万以上の色とパターンの組み合わせを作り出せるのだとか!すごい技術です。

現在のクリスタルボール(写真は全てtimessquarenyc.orgより)

現在のクリスタルボール(写真は全てtimessquarenyc.orgより)

開始当時の1907年のものはというと、重さ約300キロ、鉄、木、100個の25ワットの電球で出来ていたのだそうです。ささやかな感じですね。 その後1920年には100%鉄製となり、重さは半分の150キロに。1955年にはアルミニウム製となりさらに軽くなって67キロに。

New Year's Eve Ball, 1978. Photo credit: The New York Times.

New Year's Eve Ball, 1978. Photo credit: The New York Times.

1981年~1988年までは「アイラブニューヨークキャンペーン」の一環として、赤い電球と緑の電球の柄がついたリンゴのデザインになったこともあったそう!残念ながら写真がないのですが、これは見てみたいです。

翌年1989年からは白い電球のノーマルなデザインに戻り、1995年からコンピューター制御され、アルミニウムになりラインストーンでカバーされストロボに。ハイテクになりました。

そしてミレニアムを迎える2000年からは、ウォーターフォード社製のクリスタルが使われ、 重さは増えて480キロに。ライトは1万ワットのランプを1つと432個の5色の電球が使われたそうです。そして100年目を迎えた2008年からはLEDが採用され、重さもどんと増えて現在の形に。

ウォーターフォード社製のクリスタルが使われた 2000年のクリスタルボール (写真はtimessquarenyc.orgより)

ウォーターフォード社製のクリスタルが使われた
2000年のクリスタルボール
(写真はtimessquarenyc.orgより)

きらびやかなNew Year’s Eveボールの歴史、せいぜい30年位かなと思っていましたが、100年以上の歴史を持つとは知りませんでした。その時代によって、このボールも変遷があったんですね。

日本で除夜の鐘を聞きながらの年越しも恋しいですが、輝くクリスタルボールを見ながら大勢で叫びながらのカウントダウンも感動的です。帰る道すがらすれ違う人たちに「Happy New Year!」とあいさつし合うのもなかなか日本では味わえないなと実感。そんな感じで2011年はよいスタートを切ることができました。本年も引き続きNYからクリエイティブ情報をお届けしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
Foxylilly.com
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