ふしぎなことば

東京
コピーライター
TOKYOそういえば日記 11
コジマカツヒコ

みなさん、毛と結婚はやっぱり、大事ですか?

 

 

「広告不況だからなあ」と仕事の師匠がボヤくのを聞いたのは、最近の話ではなくて2年前。

ネットの隆盛で紙の媒体がずーっと減り続けているのはご存じの通りですけれど、

そこへ来てコロナ禍のダメ押し。東京でもマシなのは都心の地下鉄くらいでしょうか。

 

でも明るくいきましょう。暗い話はしません。

 

電車の中で目玉をぐるりと回す。と、広告不況とはいえ脱毛サロンは元気なようです。

東京だと脱毛サロンばかり3つも4つもポスターが貼られているのがコロナ以前からの昨今のふつう。

キレイモ、ミュゼ、銀座カラー、TBC、などなど。

 

育毛剤の広告も相撲の福俵よろしく、土俵際で粘っていつもどこかに貼られています。

 

女も男も「毛の心配」に関しては無い袖も振るよ、ということなのか。

 

たまに脱毛サロンの広告あいだに育毛剤のリアップが挟まっていたりすると、

「抜く、抜く、抜く、生える、抜く、生える、、ああもうどっちやねん」となります。

 

 

毛関連に次いで多いのは、(個人の感想ですけど)たぶん婚活系。

パートナーエージェント、ツヴァイ、ゼクシィ。

 

婚活。私はやったことありません。というか自分が結婚した当時には「婚活」という言葉は無かったです。

 

そういえば「就活」も無かったな。

「●活」って、今どれくらいあるのだろうか。

 

ざっと挙げると、婚活、就活、妊活、朝活、昼活、夜活、それからお墓のほうの終活。

さらに転職活動の「転活」、円満な離婚をめざす「離活」なんてのもあるそうです。

「活」のパンデミック。

 

でもやっぱり2大巨頭は「就活」と「婚活」でしょう。

 

「就活」と「婚活」、それぞれの発生時期について調べた記事が日経電子版のコラムにありました(文末にリンクあり)。

 

かいつまんで記すと、「就活」という言葉の発生は「2001年頃、『就職活動』のことを縮めて

『就活』と呼ぶようになった」と現代用語の基礎知識に記されているそうです。

さらに「長引く不況の中、せめて軽いノリで厳しい状況を乗り越えようという

心の動きがあったのではないか」という考察も記されています。

そうなんだ。理由を知るとちょっと切ないですね。

 

自然発生的に広まった就活に対して、結婚の「婚活」はそのデビューの日がハッキリと記録に残っているそうです。

こちらもかいつまんで記すと「朝日新聞社(当時)の週刊誌『AERA』07年11月5日号で

『結婚したいなら“婚活”のススメ』と使われたのが最初」。

へぇ。へぇ。2へぇ。

 

ちなみに「婚活」って実際に口から出すにはシチュエーションを選ぶデリケートな言葉だなあと思ったのは、

先日、お侠(おきゃん)な後輩と電車に乗り合わせた時。

 

我々の前には婚活系のポスターが2つ。

 

“ 高望みから、はじめよう。”

というコピーを見て、

「これは調子こいてますね」

 

“ 婚活はあなたを知ることから ”

というコピーを見て、

「身の程を知れ、っていう意味ですか?」

 

ああ大きな声でそんな。あっちこっちから視線がビシビシと刺さりました。痛かったです。

 

 

最後に、忘れられない中吊り広告のこと。

確かあれはリッチ系(?)を推すファッション通販だったはず。

 

ビジュアルはモフモフの毛皮をまとったベタにゴージャスなモデルさん。昭和の任侠映画に出てくるヤクザの愛人みたいな感じがしなくもない。

 

キャッチコピーはですね、大きく

「本物を装う」

 

それってニセモノじゃん!    ニホンゴムズカシイネ。

 

 

 

 

日経電子版「ことばオンライン」

https://style.nikkei.com/article/DGXNASDB11001_R11C12A2000000/

プロフィール
コピーライター
コジマカツヒコ
33年前の5月、なつかしのマスコミ電話帳を片手に「使ってくれませんか?」の電話勧誘を繰り返し「ゆ」のページに書かれていた制作会社に潜入。流通やメーカーのハウスエージェンシー、広告代理店を経て独立。趣味は水泳と愛猫の育成、お酒と無駄話。そろそろ飲み会やりたいなあ。

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