居場所を求めて荒らし回った「海の民」

東京
カメラマン、ライター、社会人兼旅人
社会人兼旅人の旅空
鈴木勝彦

大昔の紀元前1200年頃、地中海東部。

そこにはエーゲ文明やヒッタイト、古代エジプト文明が花開いていた。そして、その文明達を襲撃・崩壊させてきた民族がいた。
彼らの正式な名称は不明である。当時の文献によると彼らは「海の民」と呼ばれていた。
海の民は征服をしなかった。ただ出現し、襲撃・略奪を行い。去って行く。まるで海賊である。
彼らは時には軍事協力をして傭兵団を派遣し、国同士の戦争に参加したりもしていた。
このように様々な破壊行動のおかげで当時隆盛を極めていた地中海の文明が崩壊し、新たな文化の流れが誕生した。

特にヒッタイトの崩壊はその後の人類に大きな影響を残す。
ヒッタイトが専有していた製鉄技術が世界各地に散らばっていったのだ。それは青銅が主役の時代が終わり、より強靭な鉄器による時代の到来になった。

果たして海の民は何者なのか?は今でも確定されてないが、自分が思うには、当時はエーゲ文明、古代オリエントなどの地中海の文明が隆盛・成熟を極めていた。そこから不遇・つまはじきにされた人々が行き場を求めて、自然発生的に集まってできた多国籍かつ無国籍集団だったのではないか?
それらが自身の居場所を求めて、またはどこかの国に傭兵団として雇われて、周辺文明を襲撃・崩壊に至らしめたのだろう。
いつの時代も、居場所のない者は自分たちの居場所を手に入れるために、戦うしかないのだ。何と言われようとも。

プロフィール
カメラマン、ライター、社会人兼旅人
鈴木勝彦
千葉県市原市出身【Portfolio : https://ienekoyamaneko.wixsite.com/k-suzu】

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