ねたの漁場

東京
コピーライター
TOKYOそういえば日記 3
コジマカツヒコ

 

いのち温(ぬく)めて酔いながら 酒をまわし飲む

あしたの稼ぎを夢にみて 腹にサラシ巻くぅ♪ ※

 

 

みなさん、ネタ、どこで探してますか?

 

わたしは広告とか販促ツール、カタログとか、そのあたりのコトバづくりを仕事にしています。

 

自分の中で、コトバづくりは大きく2つに分かれます。

 

ひとつは、後押しをするコトバづくり。

これはカタログなど、手にする人がすでにある程度興味を持っている状況で、

あとは購入への背中をトン!と押してあげるコトバづくりです。

もう興味を持っているので、びっくりさせたりする必要はあまり無くて、

多少は前知識も仕込んでいるであろう相手に、まだ知らない商品の魅力なども交えて

わかりやすく、心地よく伝えてあげること。

かんたんに言うと情報の整理整頓と伝達です。

 

もうひとつは、振り向かせるコトバづくり。

これはポスターや雑誌広告、DMといった媒体です。

手にする人の前提は「は?」「なにそれ?」「別にぃ」。

そんな相手に向けて「こっちに面白いモンがありまっせ!」と気づいてもらうコトバづくり。

興味を持っていないのが前提なので、こっちを見てもらうために、

驚かせたり、感動させたり、あの手この手で気を引く必要があります。

いわばナンパみたいなもんでしょうか。

 

今回でいう「ネタ探し」は、この振り向かせるコトバづくりのヒントをどこで漁るか。

 

自分の場合の変遷は、20代は広告年鑑や広告批評(R.I.P. 天野さん、島森さん)を読みあさっていました。

 

でもそこにあるのは業界内ではもうシェアされてしまったアイデアや演出ばかり。

似たり寄ったりの出稿物が町にあふれはじめていて、うーん、効率が悪かったです。

 

次に目をつけたのが小説でした。好きな作家の「なんかぐっとくるセンテンス」を

自分なりにトレースして面白いものが作れればなぁ、と。

時々はうまいこといくケースがありました。けれど、日々いろいろな媒体やクライアントを

こなさなくてはならないので、トーンの作り分けが大変。

何を書かせても同じ調子だな、とは思われたくないですから。

 

そして35歳くらいにたどり着いたのが音楽。歌の歌詞です。

 

ユーミンが深夜のファミレスに居座っていろいろな人の身の上話に聞き耳を立てていたのは

有名な話ですが、歌の歌詞やその世界から仕事のヒントをもらうことが多くなっていきました。

恋をしたとき、フられたとき、怒ったとき、泣いたとき、人はこんなコトバをつぶやくんだなぁ、と。

とても勉強になりました。

 

手持ちのCDの好きなミュージシャンだと限界がすぐ来てしまうので、ネタ漁りの場はやがて、

たまに行くカラオケボックスへ。友達がマイクを握る横でぶ厚い歌本の歌詞を写メしてましたっけ。

 

で、これもここ10年くらいは飽きてしばらくやめていたのですけれど、

散歩の途中にカラオケ屋の看板を見て思い出した次第です。そういえば面白かったなぁ、歌本。

 

また見てみようかしらん

 

しかし、無い!   最近は歌本が無いのですね。

どの店も大型の液晶リモコンになってしまって、あの歌本が姿を消しているではないですか。

 

無いとなると余計に見たくなるタチ。どうにか手に入らないかネットで調べてみるも

市販本ではないためでしょうか、なかなかヒットしない。

 

ようやく楽天にひとつ。

 

第一興商ベスト 2013年  最新版 新品 2,750円

 

う、、そんなに高いのかアレ。。

 

ヤフオクも、タマ数は少なく、やっと見つけた中古が2,000円也。

どうしよう。ポチってしまうか、やめておくか。。。(←今ココ)

 

 

そういえば「駅の伝言板」もコトバの漁場としてかつてとっても気になる存在でした。

平成の世のあいだに静かに消えていったそうです。残念無念。

 

XYZ って書きたかったのに。

 

 

※北島三郎「北の漁場」(昭和61年)より一部引用

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プロフィール
コピーライター
コジマカツヒコ
就活に乗り遅れたまま心晴れやかに学校を卒業。なつかしのマスコミ電話帳を片手に「使ってくれませんか?」の電話勧誘を繰り返し「ゆ」のページに書かれていた制作会社に潜入。それが33年前のこと。それから流通やメーカーのハウスエージェンシー、某電鉄会社の広告代理店を経てフリーランスに。得意領域は流通とメーカーの広告と販促ツールいろいろ。趣味は水泳と愛猫の育成、あとお酒と無駄話。信条は『世界はそれほど敵じゃない』です。

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