明るく、ひらめく、脳の作り方

東京
コピーライター
TOKYOそういえば日記 17
コジマカツヒコ

みなさん、やる気って、どうしてますか?

 

私は、いわゆる「心に響く名言」の類いがちょっと苦手です。

苦手というかそれらに後押しされたことがあまりない。

 

たとえば「明けない夜はない」と聞かされたとします。すると

「冬のフィンランドでそれ言ってみろよ」と相殺してしまうのですね。

(冬のフィンランドは日中でも太陽が沈んでいます)

 

宣伝活動の「こう思われたい」という表の部分と、「なんだかんだ売りたい」という

舞台裏の両方を見てきたせいでしょうか。あるいはもともとの人格が

天の邪鬼なせいでしょうか。とにかくごめんシェイクスピア。

 

さて今回のお題は、そんな私にも効いた心と体の鍛え方についてです。

 

 

?    ストレスに強い脳を育てる

 

褒められる日があれば、ダメ出しを食らう日もある。

成果物のクオリティーを計るモノサシがあいまいな「表現」という

仕事は気持ちが乱高下しやすいですよね。

 

で、ストレス解消で飲んだり食べたり。カラオケしたり温泉に行ったり。

溜まる→ほぐす、しばらくするとまた溜まって→ほぐす。

 

悪くはないのですけれど、そういう対処療法みたいなやり方ではなく、

もうちょっと短い、できれば毎日の日課に近いスパンで

やる気のある状態へ気持ちをパッと切り替える方法はないものか?  

心を育てる方法はないものか?   わりと長年、考えていました。

 

私の場合、たどり着いたのが水泳です。2日か3日に1回、90分ほど泳ぎます。

5年ほど続いています。

 

泳ぐと何が起こるのか。

水泳は有酸素運動です。有酸素運動を一定時間行うと脳内に

セロトニンという物質が分泌されます。ご存じの方も多いでしょうが

セロトニンはストレスに対して効能のある脳内物質で、別名

「幸せホルモン」とも呼ばれるもの。

 

ストレス解消のほかにも、頭の回転をよくしたり直感力を上げるといった

研究結果もあるそうです。これについては②で詳しく述べます。

 

やってみると、確かに効果があります。煮詰まった頭の中がすっきりと

洗い流されるというか、ロッカールームの鏡に映る自分の目つきが

キリッと前向きにリセットされるのですよね、本当に。

 

水泳でなくてもOK。有酸素運動ということはランニング、ジョギング、サイクリング

などでも同じような効果が得られます。一定のリズム運動でもいいみたいです。

 

 

?    脳内ネットワークを増やす

 

先日、村上春樹さんの『職業としての小説家』を読みました。

その中で彼はフィジカルを鍛える大切さをとても強く説いていました。

 

少しだけ引用させていただたきます。

 

強固な意志を長期間にわたって持続させていこうとすれば、

どうしても行き方そのもののクォリティーが問題になってきます。

まず十全に生きること。そして「十全に生きる」というのは、すなわち

魂を収める「枠組み」である肉体をある程度確立させ、それを一歩ずつ

着実に前に進めていくことだ、というのが僕の基本的な考え方です。

 

で、彼は毎日1時間のランニングを日課としているそうです。

 

“肉体的運動と知的作業との日常的なコンビネーションは、作家の行なっている種類の

クリエイティブな労働には、理想的な影響を及ぼすわけです。

僕は専業作家になってからランニングを始め(走り始めたのは『羊をめぐる冒険』を

書いていたときからです)、それから三十年以上にわたって、ほぼ毎日一時間程度

ランニングをすることを、あるいは泳ぐことを生活習慣としてきました。”

 

すると脳内に、ある変化が。

 

“最近の研究によれば、脳内にある海馬のニューロンが生まれる数は、

有酸素運動をおこなうことによって飛躍的に増加するというのです。

有酸素運動というのは水泳とかジョギングとかいった、長時間にわたる適度な

運動のことです。ところがそうして新たに生まれたニューロンも、そのままに

しておくと、二十八時間後には何の役に立つこともなく消滅してしまいます。

実にもったいない話ですね。でもその生まれたばかりのニューロンに知的刺激を

与えると、それは活性化し、脳内のネットワークに結びつけられ、信号伝達

コミュニティーの有機的な一部となります。そのようにして学習と記憶の能力が

高められます。そしてその結果、思考を臨機応変に変えたり、普通ではない

創造力を発揮したりすることができやすくなるのです。より複雑な思考をし、

大胆な発想をすることが可能になります。”

 

つまり運動と知的作業を組み合わせると、ストレスに強い脳を作るだけではなく

「脳の性能をアップさせることができる」というわけです。

 

この本、ほかにも(超)具体的でシンプルな仕事術、そして仕事と対峙する覚悟が

たくさん書かれています。文字を書く仕事の人はもちろん、イラストレーターにも

デザイナーにもカメラマンにも、いや、もうどんな職業の人におすすめできます。

 

 

そういえばスポーツの秋ですね。今年の10月には「体育の日」が無いって知っていました?

例年は10月の第2月曜日。なのにカレンダーを見てみると、、ほら、無いでしょ。

 

今年に限り東京オリンピックの開催日である7/24に移動となっています。

来年無事に開催されるなら、また7月になるのでしょうかね。

(ちなみに名称も「スポーツの日」に変更されました)

 

 

新潮文庫/村上春樹「職業としての小説家」より一部引用

 

プロフィール
コピーライター
コジマカツヒコ
30数年前、マスコミ電話帳を片手に「使ってくれませんか?」の電話勧誘を繰り返し「ゆ」のページに書かれていた制作会社に潜入。流通やメーカーのハウスエージェンシー、広告代理店を経て独立。得意領域は流通小売・メーカーの広告や販促ツールいろいろ。趣味は水泳と愛猫の育成、お酒と無駄話。お仕事のご依頼は kojimakatsu@icloud.com までメールくださいませ。

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